【経営者編6|理解編】顧客導線のズレ|なぜWebサイトから問い合わせが増えないのか

※この記事は、主に中小企業・小規模事業の経営者の方を想定して書いています。

「多くの経営者は“導線は大事”とは知っています。
ただ、どこがズレているのかは整理できていません。」

「アクセスはそこそこあるのに、問い合わせが増えない…」
「サイトをリニューアルしたのに、正直、手応えがない…」

そんなご相談を、この25年で何度も受けてきました。
そして、そのたびに実際のWebサイトを一緒に見ていくと、
“ほぼ必ず、同じところ” に原因があると気づきました。

それは、デザインでも、
SEOの細かいテクニックでもありません。
ましてや、高額な広告費でもありません。

お客様がページを開いた
最初の3〜5秒で目に入る「一言」
ここに、

「この会社は、私のこの悩みを解決してくれそうだ」
と伝わるメッセージがあるかどうか。

実は、問い合わせが来るかどうかの9割は、
この“たった1か所”で決まってしまいます。

本記事では、あなたの会社のWebサイトからの
問い合わせを増やすために、
最優先で見直すべき
「たった1つの最重要ポイント」 をお伝えします。

  • どこを直せばいいのか
  • 何を書き換えればいいのか
  • 今日から0円でできる、具体的なステップ

を、順を追ってご紹介しますので、
この記事を読み終えるころには
「うちのサイト、まずはここから直そう」が、はっきり見えるはずです。

※実際のユーザーは、最初の3〜5秒で文章をじっくり読んでいません。
見えているのは「ページ全体の印象」と「目に入る短い言葉」。
この瞬間に “ここなら自分の悩みを解決してくれそうだ”
感じてもらえるかどうかが、問い合わせにつながる最初の勝負になります。

目次

問い合わせ数は“最初の3秒”で決まる

ユーザーは、あなたのWebサイトを訪れた瞬間、
無意識のうちに 「自分に関係があるかどうか」 を判断しています。

その判断に使われているのは、
文章を読むという“理解のプロセス”ではなく、
もっと素早い “印象のスキャン” です。

  • 写真の空気感
  • 色とトーン
  • レイアウトの雰囲気
  • 目に飛び込んでくる短い言葉
  • 「なんとなく良さそう」「なんとなく違う」という直感

これらが一瞬にして混ざり合い、
「ここは自分の悩みと関係がありそう/なさそう」 が決まります。

そして、その たった数秒の判断が、
その後のページの読み進み・滞在時間・問い合わせ率を
ほぼすべて左右する
のです。

なぜ「3〜5秒」で決まるのか?

人間は、本能的に
“自分に関係がない情報” から離れようとします。

だから、最初の一瞬で
「自分の課題を理解してくれそうだ」
と感じられないサイトは、

  • 読まれない
  • スクロールされない
  • 強みや実績まで辿り着かない

という状態に陥ります。

逆に、最初の数秒で
「あ、これは私のことだ」
と認識されれば、

  • ページを読む姿勢が生まれ
  • 実績も見てもらえ
  • 導線(CTA)も踏んでもらえる

この“最初の数秒の壁”を突破するだけで、
その後の数字が大きく変わっていきます。

たとえば、
サービス内容はきちんと書いてあるのに、
「どんな人の、どんな悩みを解決するのか」が
最初に見えてこないサイトがあります。

作った側は説明しているつもりでも、
読んでいる側は
「これは自分の話なのか?」が分からないまま、
そのままページを閉じてしまいます。

だからこそ、「冒頭の一言」がすべての起点になる

これは25年間の現場で見続けてきた結論です。

問い合わせが来るサイトは、例外なく
“冒頭の一言” が顧客の悩みに刺さっています。

逆に、問い合わせが来ないサイトは、
どれだけ実績があっても、
どれだけ魅力的な商品を扱っていても、
冒頭で「会社紹介」や「抽象的な理念」を語ってしまっている。

たったそれだけで、
見込み客はページを閉じてしまうのです。

スマホ時代、「ファーストビュー」の定義はもう変わっている

Webの世界では長いあいだ、
“ファーストビュー=最初の1画面”
という前提で語られてきました。

しかし、スマホを前提にした現在のユーザー行動は、まったく違います。

結論からいえば:

スマホの5秒 = 2画面ぶん見ていることが多い

ユーザーは最初の1〜2秒で
ページ全体の“空気感”を直感的にスキャンし、
そのまま自然に 親指でひとスクロール します。

そして4〜5秒目には、
2画面目の上部の文章や画像を
「なんとなく」チェックしています。

つまり今のファーストビューは、
従来のように “1画面の静止点” ではなく、
“最初の2スクロール以内の世界全体”
を指すようになっています。

だからこそ:

  • 1画面目=方向性(何の会社か)
  • 2画面目=悩みの明文化(誰の問題を解決するのか)
  • 3画面目=強み・実績の入り口

という流れを整えると、
ユーザーの“離脱”を大きく防ぐことができます。

なぜ経営者は“最初の3秒”を外してしまうのか(ズレの正体)

多くの経営者は、決して間違っているわけではないです。
むしろ 「良いことを伝えよう」 と努力しているからこそ、
最初の3秒で外してしまいます。

そこには、いくつかの“構造的なズレ”が存在します。

① 「伝えたいこと」から書き始めてしまう構造

経営者が一番大切にしているのは
自社の想い、実績、歴史、理念、技術、誠実さ…。

だからどうしても、TOPの冒頭はこうなりがちです:

  • 「私たちは◯◯の会社です」
  • 「品質にこだわり…」
  • 「創業◯年の〜」
  • 「真面目に〜を続けてきました」

これらは すべて正しい情報 なのに、
ユーザーの頭ではこう変換されます:

「…で、私の悩みは解決できるの?」

このズレが、最初の離脱につながります。

② 経営者は“全体を知っている側”、ユーザーは“初対面の側”

経営者:
「うちは◯◯が強みで、△△もできて、実績もある。
だから伝わるはず。」

ユーザー:
「ここは、私と関係ある会社なの?」
「何をしてくれるのか分からない…」

両者は“見ている地図”のサイズが違う んです。

経営者は「A〜Z」まで全部知っている。
ユーザーは「A」しか知らないまま来る。

だから、冒頭で「K〜Z」の情報を出しても刺さらない。
まず“ユーザーのA地点”に合わせないといけない。

③ Webサイトを“会社案内(パンフレット)”だと捉えてしまう

リアルのパンフレットなら、
会社概要 → 実績 → ストーリー の順番でも読んでくれます。

でもWebは違います。

Webは “接客の一手目”。

  • はじめまして
  • 今日はどんなことでお困りですか?
  • あ、それならうちでお役に立てますよ

これが自然な流れ。

ところがWebにすると突然こうなる:

  • 「うちは◯◯会社です」
  • 「創業◯年です」
  • 「こだわりは…理念は…」

これでは 初対面の相手に名刺を読み上げているのと同じ。

ユーザーは「で、私の悩みは?」となる。

④ “雑誌のキャッチコピー” のように格好よく書いてしまう

雑誌的なキャッチコピーは
「読ませるための文章」 であって、
「伝えるための言葉」ではない。

格好よくしてしまうと、意味が伝わらない。
意味が伝わらないと、ユーザーは“自分ごと化”できない。

経営者がよくやってしまうこの“格好よさの罠”も、
冒頭3秒のズレの大きな原因。

⑤ 「お客様の悩み」を“知っているつもり”になってしまう

長年その業界にいると、
“お客様が本当はどこで困っているのか”の感覚が
少しずつズレてしまいます。

  • 業界の常識で考えてしまう
  • 専門用語で話してしまう
  • お客様の言葉を使わなくなる

結果として、最初の一言が
“会社目線” で書かれてしまう。

ユーザーは
「この会社、私の悩みを分かってない…」
と判断する。

ズレの正体:「伝えたい」⇄「知りたい」 のすれ違い

これがすべてです…。

経営者は 「伝えたいこと」 を語る
ユーザーは 「自分の悩みが解決するか」 を探す

この 視点のズレ が、
問い合わせを遠ざけてしまう最大の原因です。

サービス内容はきちんと書いてあるのに、
「どんな人の、どんな悩みを解決するのか」が
最初に見えてこない。

作った側は説明しているつもりでも、
読んでいる側は
「これは自分の話なのか?」が分からないまま、
そのままページを閉じてしまいます。

このスパイラルから抜け出すための
最初に見直しポイントを、次の「実践編」でお届けします。

👉 【経営者編6|実践編】顧客導線の直し方
あれもこれも手を入れる前に、
最初に見直すべき1つのポイントを解説します。

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