
「お客様が主役です」
商品やサービスの企画を考えるとき、誰もが「顧客視点・ユーザー目線で」と言います。
私自身も企画会議の冒頭などで、「お客様の気持ちに寄り添って考えましょう」と伝えてきました。
ですが、話し合いが進むと少しずつ主語が変わっていきます…。
「うちとしては」「伝えたいのは」「うちの自慢は」と、いつの間にか売り手側の都合が中心になり、「お客様のために」と言いながら、実は自分たちのことばかり話している。
こんな経験ありませんか?
2000年は「ネットで物が届く」が奇跡だった頃 - 私の顧客志向の原点
今から25年以上前、私がネットショップのスタッフとしてページの企画・制作を始めたばかりの頃のお話です。
当時は、今みたいに「ネットで買って、明日届く」なんてことはなく、
それどころか…「お金だけ取られない?」「クレジット番号、大丈夫?」と、私自身が警戒して銀行振込で買い物していた頃です。
そんな中、私がつくったヘタなページから注文をいただき、掲示板に優しい言葉まで書いてくださったお客様がたくさんいました。それはもう奇跡のような体験でした。
嬉しくて、ありがたくて、お客様が大好きになったんです。
だから、「この人たちを心配させたくない、絶対に迷惑かけない」そう思いました。
また、多数のやり取りの中で「商品が探せない」などのご指摘もいただき、そうした不便さをどんどん解消していきました。結果、月商100万円ほどだった売上は、半年で5倍に伸びたのです。
この時の体験が、私の考える顧客志向の原点になっています。
また逆に、現在においても「お客様に感動を」なんて言う方もいますが、もうネットで買うのはごく普通のことで、たかだか普段の買い物に感動なんてするわけないです。
そんなことよりも「わかりにくい、買いにくい」などのストレスをお客様にかけないことの方が大事です。
買う側のお客様の方が、売る側の店よりも「買い物のプロ」
私自身、店舗の支援をする一方で、2000年からずっとネットで買い物し続けています。
ちなみに、私の楽天市場での購入履歴だけでも1,500件を超えていて、さらにAmazonやYahoo!ショッピング、独自ドメインのECサイトなども合わせれば、これまでの買い物は軽く2,000回以上になります。
これは、自慢したいわけではなく、こんな買い物数の方は、いくらでもいると言いたいのです。
米や水などの重い日用品、ギフト、衣類など、家計を預かる人や忙しい人なら、月に何度もネットで買い物をしています。
つまり、画面の向こうにいるお客様は、数千回の体験から「この店、わかりにくい、買えない」を一瞬で見抜く「買い物のプロ」だという事実をそろそろ理解していただきたいのです。
なぜなら、
- 買い物の回数が圧倒的に多い
- 商品を比較する経験が豊富
- レビューを読み慣れている
- 失敗も成功も、それなりに体験している
そして、またこれは、普通のホームページでも同じです。
何かを探している人は、
- 比較サイトを見る
- レビューを読む
- SNSも検索する
- Googleの口コミも読む
製品やサービスの専門家でなくても、「ネットで探すこと」に関しては、お客様のほうが圧倒的に慣れていると考えていいと思います。
そして、あなた自身もやっています。
「検索」して、「クリック」して、違うと思ったら「戻る」。
これを、何度も何度も繰り返します。
ということは、あなたのホームページもすでに「やられている側」です。
お金はもらう時より、払う時の方が真剣
モノを購入する時、お客様は「失敗したくない」「損をしたくない」と思っています。
自分の大切なお金ですから、当然のことですね。
あなたもそうだと思いますが、もらう時より、払う時の方がだんぜんシビアです。
たかだか数百円のことで、そこまでなの?なんて思っていませんか。
会社側は「売るプロ」かもしれませんが、お客様はその上をいく「買うプロ」です。
この事実、そろそろ認識していただきたいです。
ネットショップ時代、深夜の注文が多かったんです。
家族のために眠る時間を削って買い物している人に、絶対に迷惑をかけたくなかった。
この人たちの時間を奪うことも一緒に考えていただきたいです。
「売ることよりも、買うこと」のほうが学びは多い
たとえばネットショップ時代は、経営者と一緒に接客で日本一と言われる「某有名デパート」に何度も買い物体験に行っていました。
接客の距離、声のかけ方、売り場の空気の作り方、買った後のお見送りまで、本などでは理解できないことを感じてもらうためです。
また、こんな提案もしていました。
ネットショップの初期の頃は、実際に買い物したことがないスタッフも多かったので、
月に一度、予算を決めて、売上の高いネットショップの有名店で「おやつ」を購入する体験です。
(有名店は、ランキングに出てくるのですぐにわかります。)
これが盛り上がるんです…。
実際に、予算内で、商品を比較して、人数分ないとダメで、レビューはどう?など、条件をクリアすること以上に、みんなで食べるので反応も気になります。
そして気づくのです。商品はいくらでもあるけど、ネットで探すって意外と大変だということを。
さらに届くまでに、「対応がすごくいい」「購入へのお礼の紙が同梱されてる」「リピート購入のクーポンあり」「お中元商品のカタログ入り」など、売れてる店舗の仕掛けもわかります。これが本当に勉強になるのです。
たくさんの経営者から「売ることよりも、買うこと」のほうが、学びは多いと言われました。
店舗側も必死なのは、よくよく知っています…
店舗さん側が、毎日必死に運営して、本当にかわいそうなくらい頑張っているのはよく知っています。
でも、だからこそ申し上げたい。
あなたも買うときはシビアなのに、売る側に回ると急に鈍感になって、従来のやり方を繰り返してしまう。
お客様は、うるさいのではありません。むしろ普通を求めています。
商品が良くて、約束通り届いて、感じよかった。これしか求めていません。
ここまでは、ネットショップのお話ですが…。
サービス業やBtoBは真逆、体験が少ないから親切も必須
清掃、エアコンクリーニング、カギの紛失、家のリフォーム、税理士を探したいなどなど…
普段めったにないことは、お客様はとっても不慣れです。
ネットで探すのはうまくても、決断にはてこずります。
私自身も、昨年カギ穴がダメになって、カギを挿したら回らない、抜けないという恐怖体験をしました (-_-;)
この時、「見積もりサイト」に書き込んだところ、8社からオファーがあり、症状が変わっていたので3万5千円~7万5千円という数字をいただき、目がグルグルしました…。
どれが正解かわからず、今日中に来てくれると言った4社と交渉して、カギを開けてくれるまでに4時間… 泣きそうでした。お金は高くてもいいと途中であきらめましたが、「今日は来てくれないかもしれない」には、本当にドキドキしました。
その時、電話での説明で思いましたが、専門的なことは何を言われているかほぼわかりませんでした。
結果、すごく優しい丁寧な方に決めました。
※見積もりは高い方でしたが、結果的に安くなり、感謝が強すぎて思わずチップ払っちゃいました(笑)
この部分、「ホームページで問い合わせをいただきたい会社」は、ヒントになるのではないかと思います。
あなたは、顧客中心主義と言えます?
ただ、中小企業にとって必要なのは、理論よりももっと手前のことだと思います。
大企業のような知名度がなく、お客様に「こんなブランドです」と提示もできないので、「説明すればわかってもらえる」「想いを語れば伝わる」とは、なかなかなりませんね。
これは、最初から「選ばれる理由」を明確にホームページなどで伝えなければ、そもそも比較の土俵にも上がれません。
あなたのお客様は、あなたより「買う経験」が豊富です。
だからこそ、お客様を中心に考えることが、結果として一番の近道なのです。
ホームページで重要なのは、「御社が選ばれる理由」を言葉にすることです。
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