【ネットショップ・つぶやき編5】海外では「オーガニック」、でも日本人は「国産」が好き - 売上が伸び悩んで、外国人オーナーたちにドヤられた「オーガニックサプリ」の話

【ネットショップ・つぶやき編5】海外では「オーガニック」、でも日本人は「国産」が好き - 売上が伸び悩んで、外国人オーナーたちにドヤられた「オーガニックサプリ」の話

「なぜ日本人は、オーガニックのサプリを買わないの!?」
某会社のミーティングで、外国人オーナーから、机をたたきそうな勢いで言われた言葉です。

また、違う場でも…
アメリカ・中国・台湾などの多国籍なオーナー陣に囲まれて聞かれました。
「日本人は健康意識が低いの?」「高いサプリを買うお金がないの?」と…。

彼らにとってオーガニック認証は「絶対の安心」ですが、日本人が安心するのは「国産」の文字。
私が実際に体験した、オーガニック製品販売の壁についてお話しします。

この記事は、「厳しい基準をクリアしたオーガニックなのに売れない…」と同じ悩みを持った経験のある方たちのために書きました。

2000年初頭から「売れない、転換率が上がらない」を店舗と解決してきた元ECプランナー/コンサルが、現在でも多くいただくご質問にお答えするために、「ECの基礎」として本質的な売上の作り方を書いています。
筆者が最も得意とするのは、LPの企画・制作、販売企画、顧客対応・顧客目線、Webブランディングです。みなさまがネットショップで成果を出すためのヒントになれば幸いです。

目次

最初に簡単に、世界が認める「オーガニック」とは?

海外におけるオーガニック(有機)とは、単なる「体に良さそう」というイメージではなく、客観的な第三者認証によって厳格に保証された品質基準です。

化学農薬や化学肥料、遺伝子組み換えを排除し、栽培環境から製造工程まで徹底的に審査されたものだけが認証マークを掲げられます。

欧米だけでなく、食の安全意識が高まる中国・台湾・韓国などのアジア各国でも、「どこの国か」以上にこの公的な国際認証こそが安心・安全の共通言語となっています。

「オーガニックなのに、なぜ売れない!」外国人オーナーの叫び

「世界で一番厳しい基準をクリアしているのに、なぜ日本の客は買わないんだ??」
海外でサプリを作って、日本で売りたい外国人オーナーたちから何度もこの疑問をぶつけられました。

海外では、厳しい国際認証を受けたオーガニックは、「認証マークさえ付いていれば、余計な説明をしなくても勝手に売れる商品だ」という絶対的な自信があったのです。

私自身も、「商品はいいはずなのに、なんで売れないんだろう?」と悩む日々です。
実際、今までにたくさんのサプリメントを売ってきた経験もあったので不思議でしょうがなかったです。

ただある日、気づきました。
「そういえば、私自身がオーガニックという理由だけで物を買わない…」ということに。

そうです、日本人にとっての「安心・安全」は、世界基準とはまったく別のところにあったんです。

オーガニックよりも「国産」を愛する日本人

海外の方たちは「世界最高峰のオーガニックだ」と自信満々ですが、日本人の反応はとても薄かったです。

「へえ、オーガニックなんだ。ふーん……で、これ国産なの?」 みたいな… (-_-;)

オーガニックの認証マークよりも、「北海道産、長野産」などの地域名の方がウケると感じています。
思い出してください、デパートでも「北海道物産展」はあるのに「オーガニック物産展」なんて見たことないです。
※もちろんオーガニックexpoのようなBtoBのフェアはあります。

「地域の物産展」は、すさまじい集客力ですが、オーガニックとなると、マルシェとか小さな規模でしか見たことないんです。
確かにネットでも、オーガニックの野菜やベビーフード、調味料、お茶やコーヒー、ヘアケア商品、オーガニックコスメなど、一部、売れているものはありますが、そこまで爆発的な人気があると思ったことはないです。

日本人は、「日本で作られてるものは安心だよね」さらに、「〇〇産」と書いてあるだけで「良いもの」と、なんとなく安心してしまうところがあります。
農薬や添加物の細かい基準を調べる空気もなく、というかぜんぜん興味ない?という感じがするんです。

オーガニックの素晴らしさを熱く語る外国人オーナーと、「ふーん」で終わる日本の消費者。この圧倒的な温度差に、私はクラクラしていました。そこからは「なぜ売れないのか論争の日々」が始まりました。

日本人が安心だと感じる基準は、海外から見るとヘン?

私は必死に日本の実情を説明しました。
そのポイントをまとめると、まさに日本独自のガラパゴスな安心文化が見えてきます。

  1. 世界が驚く「過剰な?衛生管理」
    生卵や刺身を食べる「ナマ食文化」のための徹底的な洗浄・殺菌システム。
    パリッとした海苔のために作られた「コンビニのおにぎりフィルム」、時間が過ぎるとレジで弾かれる「1時間単位」の消費期限管理など。
  2. 見た目と形への「強い美意識」
    直立不動の真っすぐな「きゅうり」、サイズ分けされた「卵(S,M,L,LL)」(最近は混ざってます)、傷ひとつない高級フルーツ。少しでもサイズが違えば規格外となる徹底ぶり。
  3. 「普通のもの」のクオリティが高すぎる
    海外では「安いものはそれなりのものだから、安全にはお金を払う」という感覚が一般的ですが、日本では数百円のコンビニ弁当やチェーン店のご飯でも、美味しくて、清潔でハズレがなく、お腹を壊す心配もほぼありません。

日本人も、頭では「農薬や添加物が…」と理解していても、目の前にある「普通の食べ物」がこれほどキレイで、美味しく管理されているのだから、「見た目が不揃いなオーガニック」よりも、管理された国産品で十分だと思う日本人はヘンではない、意外と普通だと説明しました。

外国人オーナーたちは、頭を抱えていましたが、さらに論争は続きます。

「こだわり」の方向が違う?(オーガニック vs 職人技)

海外のオーガニックが「体や環境への安心」を追求しているのに対し、日本人が食に求めるのは「理屈抜きの美味しさ・職人魂・おもてなしの安心感」だと思います。そのポイントは、

  • 理屈抜きの「美味しさ」と「職人魂」
    「老舗の職人が手間暇かけて作った」「糖度12度以上のブランド果物」「伝統の麹(こうじ)で作る発酵食品(味噌・醤油)」など、日本独特の味や技術そのものに価値を感じます。
  • 「お腹を壊すとニュースになる」目に見える衛生の信頼
    日本は街の定食屋でもコンビニでも、ピカピカに清掃され「お腹を壊す心配がない」ことが当たり前。この徹底した衛生環境そのものが、日本人に強烈な安心感を与えています。
  • 消費者を不快にさせない「おもてなし包装文化」
    開けやすい個包装、お弁当についている醤油や保冷剤、徹底管理する賞味期限の仕組み。
    この至れり尽くせりの気配りに、私たちは無意識に信頼を寄せています。

日本にいると、「清潔で、美味しく、安心なもの」が手に入るのは息をするのと同じくらい当たり前です。
そのまま飲める水道水、食中毒や虫一匹の混入でニュースになり営業停止になる衛生管理。

海外では「自分の身を守る」ためのオーガニックですが、日本は生まれたときから「国全体が安心なシェルター」のようになっています。
これすごくないですか? 調べていた私のほうが怖くなりました。これを失ったら、生きていけるのかな~と。

これがあたりまえすぎて、「わざわざオーガニックに高いお金を払う」という感覚そのものが育たなかったのだと思います。

「自分たちも日本が大好き」と認めたオーナーたち

実際に、日本に住んでいたり、長く滞在するオーナーたちだったので、清潔で安心な文化にしっかり馴染んでいて、コンビニの恩恵などにもどっぷり浸かっていました。

ミーティングの合間の雑談になると、「夜中に唐揚げ買いに行っちゃった」「ロールケーキ、おいしいよね。デパート行かなくていいよね〜」「牛丼屋も、立ち食いそばも、定食屋も大好き!」ファンだよ (-_-;)

「日本人は健康意識が低いの?」と詰めてきた人たちが、「清潔で便利で、国に帰ると、すぐに日本が恋しくなるよ…」という始末で、「確かにオーガニックが必要ないかも…」と、だんだん納得する方も増えていきました。

ついには「私は中国で売るわ!」と帰るオーナーまでいました。
「世界基準の認証さえあれば勝手に売れる」というグローバルの常識が、日本で砕け散った瞬間でした (-_-;)

でも日本大好きだから、ずーっとここで暮らしたいという方も多かったです。

でも優秀すぎる日本のものづくりは、世界で戦えないかも

この体験を通して私が勉強して気づいたことは、「日本のものづくりは超優秀なのに、このままでは海外では戦えないかも」という現実でした。
本来なら、世界に打って出ればもっと儲けられるはずなのに、そこには日本特有の壁がありました。

  1. 農地が狭すぎて原料が作れない
    日本は国土が狭く、農地同士が近すぎます。隣の畑から農薬が風で飛んでくるため、サプリの原料になるほどの広大なオーガニック農地を確保するのは難しいようです。
  2. 健康志向に対する感覚の違い
    海外の健康志向層が求めているのは、「できるだけ自然のままのハーブや野菜」です。
    一方で日本が得意なのは、「いい成分だけを濃縮して、小さく飲みやすい粒にする」などの扱いやすくする加工の技術。中身は優秀でも、海外から見ると「手の加えすぎで、自然じゃない」と思われそうです。
  3. サプリに対する「価格感覚」の違い
    医療費が高い欧米では、サプリは「健康への投資」として1万円以上でも当たり前に売れるそうです。でも、皆保険制度がある日本では「数千円〜5,000円程度」が主流です。
  4. 「国内シニア市場」の引力
    海外なら1万円以上で売れると分かっていても、日本には「健康に不安を感じるシニア層」という巨大なマーケットがあるので、国内向けに売ってたほうがコスパがいいと考えているからでしょうか。

日本の技術は優秀ですから、海外からオーガニック原料を輸入して加工して世界へ輸出するか、現地に工場を作って勝負すればいいはずです。

海外に出れば、もっと高く評価され、大きな市場が広がっているはずなのに、もったいないと思うのは私だけなのでしょうか。
まあ、わざわざ外に出なくても、国内のシニア層に通販などで売っていれば十分回るんですよね。今のところは。

でも、この「清潔な国内市場で、高度な技術を使って、安価に提供する」。
完璧すぎるこのシステムが、海外では逆に理解されない?というのが現状なのかもしれません。
「こんな国、世界を見てもないよ!」っていう外国人オーナーたちの驚きと、半分あきれるような声が聞こえてきます。「すごすぎて意味がわからない」って言われたんです (笑)
ほめられたのか、あきれられたのか、いまだにわかりません。

日本にいるとこれがあたりまえですが、世界はそうじゃない。
世界では、お金を払っても安全が買えるとは限らない。だから、せめて認証にお金を払う。
日本人は、それを最初からタダで持っている。だから払わないし、勝手に満足しちゃう (笑)
私自身が一番学んだことです。

でも、このタダの安心、日本はいつまで守り切れるんでしょうか。
支えているのは、結局「人」です。作る人も、運ぶ人も、検査する人も、これから減っていきます。
満たされた状態が、ずっと続くと思っているのは、たぶん日本人だけです。

そして日本では、オーガニックは売れないし、原料も確保しにくいから作れない。
だからオーガニックは、これからもたぶん広まらない…と、私はこっそり予想しています。怒られるな (-_-;)

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