
前回の記事では、楽天市場のヘビーユーザーである40〜60代の主婦層が愛用するAndroid(特にAQUOS)において、楽天アプリで商品画像をめくろうとすると「検索画面へ強制送還される」という構造的な問題をお話ししました。
「じゃあ、店舗側はどうすればいいの?」 今回は、完全な回避は難しくても、店舗側の画像の作り方ひとつでできる「防衛策」と「考え方」をお話しします。
2000年初頭から「売れない、転換率が上がらない」を店舗と解決してきた元ECプランナー/コンサルが、現在でも多くいただくご質問にお答えするために、「ECの基礎」として本質的な売上の作り方を書いています。
筆者が最も得意とするのは、LPの企画・制作、販売企画、顧客対応・顧客目線、Webブランディングです。みなさまがネットショップで成果を出すためのヒントになれば幸いです。
現在のモールは、実質的なファーストビューは「2枚目・3枚目」が原則
まず大前提として、いまのECモールは、「ファーストビュー(FV)」の定義をアップデートする必要があります。
楽天をはじめとする各モールのガイドライン改定により、1枚目の「商品画像」はテキスト占有率や白抜きなどの制限が厳しくなりました。つまり、1枚目はもはや「看板(目印)」としての役割しか果たせません。
では、お客様が「この商品は自分に関係があるか?」を判断する本当の勝負どころは、それは、複数のサムネイルが並ぶ「カルーセル(横スライド)」の、「2枚目」と「3枚目」の画像です。
縦に長い商品説明をスクロールしてもらう前に、この2枚目・3枚目の段階で「これは私のための商品だ、私の悩みを解決してくれる」と直感してもらえなければ、即座に離脱されてしまいます。
現代のモールにおいて、実質的なファーストビューとはこの2枚目・3枚目なのです。
ネットショップ通販は「私の悩みを解決するため」に存在している
その極めて重要な2枚目・3枚目に、皆さんはどんな情報を載せているでしょうか。
「楽天ランキング1位獲得!」 「創業〇年のこだわり!」 「楽天グルメ大賞受賞!」
ついつい、会社側は「自分たちの話(自慢話)」ばかりを押し付けてしまっているように私は感じます。
昔からその傾向はありましたが、最近はどの店舗も「自分たち自分たち」と、要するに「売れてます。買ってください」が強くなったと感じています。
確かに、ファーストビューはお客様を「捕まえる、足止めする」ために作るものだと思っていますが、「自分たちの自慢」ばかりでは、お客様の決め手にかけると思いませんか?
自慢がダメではないけど、「お客様にとって良い」も伝えてほしい
片手にスマホを持って、忙しい家事の合間に買い物している方たちが知りたいのは、店舗の自慢ではなく、「この商品は、私の悩みを解決してくれるの?」「この商品が私が探してるもの?」です。 それを知りたくて探しています。
通販の本質は、いつの時代も「お客様の困りごとを解決するための道具」であるはずです。 「自分たち、自分たち」とアピールするのを一度やめて、「あなたのお悩みはこれで片付きますよ」という答えを真剣にが考えてほしい。
そして、買いやすくなる情報(商品情報、用途、サイズ感、不安を解消する情報など)を、2枚目、3枚目に真っ先に置いて欲しい。これが何より大切です。
そもそも考えたことありますか? 「売りたい」よりも「買いたくなる」が大切なことを。これ真剣に考えると、類似店もありますが、まったく違う答えが出ると思います。
そして、「買いたくなる」を探すヒントは、やっぱりお客様の声を聞くことだと思います。
レビュー分析も、今はAIでとっても簡単になりました。
方法も書きましたので参考になさってください。
2枚目、3枚目のサムネ「操作事故」で見れない現実
ところが、ここで前回のコラムの問題が立ちはだかります。
「あなたのお悩みを解決します!」という素晴らしい2枚目、3枚目の画像を作ったとしても、お客様の手元がAndroid(AQUOSなど)の場合、画面の端から指をスライドした瞬間に、OSの「戻るジェスチャー」が暴発して検索画面へ弾き飛ばされてしまうの知ってましたか?
お客様は「買わない」と判断して離脱したのではありません。
「見ようとしたのに、画面が戻ってしまった」「固まってしまった」「拡大できなかった」などが起きて、結果、「うまく操作できないと、買い物をあきらめてしまった」のです。
かご落ち以前の残念な状態です。「良い画像を作ったのだから、見てくれるはず」 これもまた、作り手側の無意識な思い込み(自分たち目線)のひとつなのかもしれませんね。
店舗側ができる、たった2つの「思いやり」設計
ちなみに筆者は、10年前からiPhone、Android(AQUOS)の2台持ちで、両方で確認をしていますが、驚くことにiPhoneはまったく問題が起きません。サックサクですが、
実は、Android特有の機能(ジェスチャーナビゲーション(画面端からのスワイプで前の画面に戻る機能))とモールのサムネがぶつかっているのです。
この機能、とても便利で私は愛用しています。逆にiPhoneを使うとできないので、画面の遷移がめんどくさいと感じるぐらいです。
私が2台持っている理由は、ネットショップ時代からの習慣で、40代~60代の女性がAQUOS所持率が高いという統計があったので、あえて買い物する人と同じ機種を持っているのです。(現在は、WordPressの検証に使ってますが)
ただ、アプリやOSの仕様に文句を言っても、売上は戻ってきませんので、店舗側には何ができるのか、私が検証を重ねてたどり着いた工夫は、以下の2つです。
大きくフリックさせないように、画面の中央で小さくなぞってもらう工夫
何度も検証した結果分かったのは、「画面の端から指をフリックすると “前のページに戻る” が発動するので、画面の中央付近で小さく横になぞれば、ちゃんと画像がめくれる」という事実でした。
(これ伝わるかな~)
だからこそ、画像の下部の中央に、自然と指を中央に置きたくなるような目印を置くのが有効だと考えます。
ただし、ここで「スワイプ」といったカタカナ用語はわかりにくいので使ってはいけません。
たとえば以下のような 、直感的なガイドを添えたり、視線が自然と画面の内側に集まるレイアウトにして、画面端を触らせない工夫をします。こんなのです。
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指の絵をもっと大きくして、女性が見たときにそこを触りたくなるような絵を作ったらいいと思いました。
これでもダメかな~ 少し工夫して、のちほど作ってここで配布できたらいいなと思っています。
前後に行き来させない「1枚完結」レイアウト
一番事故が起きるのは、「2枚目を見て、3枚目を見て、また2枚目に戻ろうとする時」です。
戻ろうとして右端から左へ指を滑らせた瞬間、一発で検索画面へ強制送還されます。
だからこそ、できるだけたくさん画像を見せない(見なくても買える)。画像の構成案を作ったほうが賢明だと思います。
また、比較検討が必要な情報(サイズ展開やカラーバリエーションなど)は、複数の画像に分けず、「1枚の画像の中」にギュッと凝縮して納めるか、画像の中ではなく商品説明部分にしっかり記載する方が間違いなく見れます。
私はテキスト推奨です。画像をうまく拡大できない人が多いからです。
「めくらせない」「戻らせない」。わかりにくいと感じたら「テキスト部分を使う」。
画像制作者側も思いやり設計が必要なのではないでしょうか。
一番ダメなのは、「見えているはず」の思い込みです。お客様のすべてが器用にスマホを使えるわけではないのです。
お客様の「ネットはめんどくさい」と「お金を使う人は年齢高め」の認識を
現在は、生鮮食品から日用品までまとめて届くネットスーパーが恐ろしく充実していて、その快適さに気づく人たちが増えています。私の周りを見ても、ネットスーパーを使う人は飛躍的に増えています。
そんな中で、モール特有の「送料が別」「同梱できない」といった面倒さに耐えながら、わざわざ御社の商品ページを見に来てくれているのに、そこで画面の操作で引っかかっているようでは、どんどんお客様は離れていきます。
また、この数字知ってますか?「日本の人口は、50歳以上が50.4%」この数字からもわかるとおり、一番お買い物をする年齢層が40代~60代女性という統計からも、この方たちが「買いやすい」「親切だ」と感じるお店が選ばれると思いませんか。
「私の悩みを解決してくれるか」、「指先ひとつで迷わず、事故らず見られるか」という操作性、どちらも重要です。
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