
商売を始めようとすると、まず最初に「誰に売るかを決めなさい」と教わりますよね。
でも、いざ取り組んでみると「ターゲット」と「ペルソナ」の
違いがよく分からなくて、結局手が止まってしまう……。
そんな方も多いのではないでしょうか。
まずは、それぞれの基本から一緒におさらいしてみましょう。
ターゲット、ペルソナって何?
マーケティングの世界で、
相手を想うための第一歩として大切にされているのが
「ターゲット」と「ペルソナ」の設定です。
「たった一人の息遣いが聞こえるまで具体的にイメージしましょう。
そうすれば、相手の心に届く言葉が自然と見つかりますよ」
そんな風に教わった方も多いはず。
まずはその考え方に沿って、相手を大切に想い描く準備をしましょう。
ターゲット = 「出会いたい人たち」をイメージする
ターゲットとは、広い世界の中から
「私の商品は、どんな人たちに喜んでもらえそうかな?」と、
心の中でそっと旗を立てることです。
「あそこに困っている人たちがいるな」と、
視線を向ける作業ですね。
- 性別・年齢: 30代の働く女性
- 居住地: 都市部(通勤に時間がかかるエリア)
- お悩み: 毎日忙しくて、自分の時間がなかなか取れない
- 一言でいうと: 「仕事とプライベートの両立を頑張りたいけれど、少しお疲れ気味の人たち」
ペルソナ = 「たった一人」を大切に想う
ペルソナとは、
その中から「たった一人の大切な人」を
思い浮かべることです。
その人の名前は?
どんなことで笑い、どんなことで悩んでいる?
目の前の一人を丁寧に描き出すのが、このステップの素敵なところです。
- お名前: 佐藤花子(さとう はなこ)さん(32歳)
- お仕事: IT企業のカスタマーサポート。責任感が強く、頼まれると断れない頑張り屋さん。
- 趣味: ヨガ(本当は教室に行きたいけれど、今はYouTubeで我慢)。
- 性格: SNSでおしゃれな部屋を見るのが好き。でも、現実は散らかった部屋で溜息をつくことも。
- 切実な悩み: 「朝、鏡を見るのが憂鬱なこと」。疲れが顔に出ていて、ファンデーションのノリが悪いと、それだけで一日中自信が持てなくなってしまう。
違いを言うなら、こんなこと
| 項目 | ターゲット | ペルソナ |
| イメージ | 市場の熱に耳を澄ませる | 「心の輪郭」を丁寧に描き出す |
| 解像度 | ぼんやりしている | くっきり見える |
| 役割 | 出会うための「場所」を決める | 相手の「心」に寄り添う |
- ターゲットは、あなたが「力になりたい」と願う場所を決めること
- ペルソナは、その場所にいる「たった一人の大切な人」を見つめること
- 「場所」を定めてから「心」に寄り添う。それが最初の一歩です
ここまでは、基本中の基本です。
「たった一人のために書くからこそ、多くの人に響く」
という考え方は、とても大切で、素敵なものです。
でも、実はここからが「その先の真実」への入り口。
「ペルソナをこんなに細かく決めたのに、
なぜか売れない、選ばれない…」
そんな風に悩んでいる方は、もしかすると、ある「大切なこと」を見落としているのかもしれません。
【疑問】でも、それだけで売れますか?
さて、先ほど「佐藤さん」という素敵なペルソナを作りましたね。
→32歳、IT企業勤務、悩みは「朝、鏡を見るのが憂鬱」。
ここからが、プロの現場の少しだけシビアなお話です。
あなたは今、その「設定」を眺めて満足していませんか?
「佐藤さんみたいな人に届けばいいんだ」 そう思った瞬間、
実はあなたの視界から、本来出会えるはずだったたくさんのお客様が
消えてしまっているかもしれないのです。
「設定」は、ただの「外枠」でしかない
誤解を恐れずに言うなら、年齢や職業といった「スペック」は、
その人のほんの一部でしかありません。
32歳の女性でも、バリバリ働いて自信満々な日もあれば、何かに失敗して泣きたい夜もあります。
あなたが一生懸命作った「佐藤さん」という箱。
その「箱」を綺麗に飾ることに夢中になって、
その中にある「生きた人間の動き」を見落としていませんか?
さらに→「誰か」に縛られると、商売は小さくなる
「32歳、独身、ヨガ好き」という条件に当てはまる人だけを探そうとすると、
あなたのビジネスはどんどん窮屈になっていきます。
でも、本当に大切なのは「32歳かどうか」ではなく、
「なぜ、今それを必要としているのか?」という、
もっと心の奥底にある理由のはずです。
【真実】カニアレルギーの人は、カニを買う
ここで、少しだけ視点を変えてみましょう。
先ほどの「お作法」では、属性(年齢や職業)を一生懸命考えました。
でも、商売にはそのお作法すら軽々と飛び越えてしまう「もっと強い真実」があります。
たとえば、ここに「カニアレルギーの人」がいたとします。
属性だけで見れば、この人は絶対にカニの顧客にはなりませんよね?
でも、もしその人に、
「近々、カニが大好きな母親の70歳の誕生日。
大切なお祝いだから、最高級のものを贈りたい」
という理由(需要)があったらどうでしょうか。
その人は、必死になってカニを探します。
アレルギーというスペックは関係ありません。
「大切な人を喜ばせたい」という切実な想いだけです。
「属性」ではなく「状況」に目を向ける
子供服だってそうです。
買うのは、お母さんやお父さんだけではありません。
孫が可愛くてたまらないおじいちゃんもいれば、
親友の出産祝いを贈りたい独身の女性もいます。
「ターゲットを絞る」ことで安心して、
→その外側にいる方たちの「切実な声」を聞かないのは
とてももったいないことです。
「属性」を忘れて、その先にある「どうしてもこれが欲しい!」という
【たった一人の切実な状況】を拾い上げること。
それこそが、理想のお客さんに出会うための、本当の鍵なんです。
【最後の本音】10人いたら10人全員 お客様
「ペルソナを決めたなら、それ以外の人には背を向けなさい」
よくそんなアドバイスを耳にしますが、
私はずっと、「はあ。。。そうですか…?」と思っていました。
「欲張りだな」と思われるかもしれませんが、
私は本気で、目の前に10人に人がいたら、
10人全員をお客様にしたいと思ってきたんです。
→ひとつあなたに大切な質問をします!
「お客様は今、検索している」という事実を、お忘れではないですか?
事実として…
「今、それを探している」
これ以上の「お客様」なんて、どこにいるというのでしょうか。
もし「属性」に当てはめて考えるなら、それは怠慢だと思います。
32歳の女性じゃなくても、
おじいちゃんでも、学生でも、自ら「探して」目の前に現れたなら、
その瞬間にその人は最高のお客様。
「ターゲット、ペルソナと違うから」と門前払いするなんて、
ありえないですよね? 何より失礼です。
「誰に」という言葉遊びはやめましょう。
目の前で「探している」生きた人間の需要を、一つも見逃さない。
その欲張りなまでの誠実さが、商売を一番強くするんです。
最後にいいます!
「誰に」じゃなくて「どんな時に」です。
