
「それ、本当に御社のホームページに必要ですか?」
ホームページリニューアルのご相談で、私はよくこんなご提案をします。
私:見た目の華やかな動きなどよりも、信頼につながる会社情報をしっかり作りませんか?
※価格を安く提案します。そうすると…
担当者:いやいや、うちは予算はあるんですよ
私:でしたら、余った予算は集客に回せますよ(心の中で、その方が儲かると微笑む私…)
でも、この提案はホームページ制作としては無難に見えるようです。
とても合理的な提案のつもりで話しているのに、見事にコンペなどで負けます。( ノД`)シクシク…
理由は決まってて、「他社の方が今風で、動いてて格好良かったから」とか、
「私の提案は変化が少なくて上司が納得しなかった」というもの。
この記事は、コンペで落とされた愚痴を書こうとしてるわけではないです。
それよりも「社内事情や見た目だけに予算を割いてしまうのは、成果の観点から非常にもったいない」と感じています。
ケース1:見た目よりも表示速度|お客様を待たせてませんか?
リニューアルの際、「格好よく動くデザイン」は社内ウケも良いためリクエストが多いのですが、華やかな動きと引き換えに「ページの読み込み速度」が遅くなるサイトは多いです。
以前、こんなご相談をいただきました。「リニューアルしたらSEO落ちたんです。なぜですか?」
他社様でキレイに作られた動きのあるサイトを見たところ、画面が開くまでに「約3秒」かかっていました。
これは、Googleの速度規定では「黄色信号」で、一応セーフです。でも… お客様はどうでしょう?
さらにGoogleは、「ユーザーを待たせるサイト」と判断し、GoogleはSEOの評価に影響する要素の一つです。
実際にそのサイトも、長年維持していた「業態+地域名」の検索順位が1ページ目から2ページ目へ落ちたそうです。
まず、Googleが公開しているPageSpeed Insights(Google提供の測定ツール)では、
・〜2.5秒:セーフ(緑)
・2.5〜4秒:黄色信号(要改善)
・4秒〜:アウト(赤)
先ほどの「約3秒」は、この黄色信号にあたります。一応セーフですがギリギリです。
ただ、ここで知っておいてほしいことがあります。
これはあくまで「Googleの合格ライン」であって、お客様の体感は、もっとせっかちです。
(回線環境にもよりますが)実際のお客様は、1秒くらいで「ちょっと遅いな」と感じ始めます。2秒で画面が白いままだと、「待たされてる」という感覚になります。(私自身、遅いサイトはさっさと諦めてしまう方です。)
Googleが許しても、お客様は待ってくれません。
基準に合格しても、その手前でお客様は離脱しているかもしれないのです。
ケース2:モバイルファースト|BtoBの会社でもスマホは重要です
個人向けの物販やサービス業なら、アクセス全体の9割以上がスマホなのは当たり前の時代です。
また、「うちはBtoBだから、見る人は5割以上がパソコンだよ」という声をたまにお聞きしますが、たとえPC利用がメインの業態であっても、Googleは「スマホ版のサイト」を基準にしてSEO評価(順位)を決めているため、スマホ対応を軽視することはできません。
さらに言えば、「見込み客の担当者」が移動中にスマホで見ていたり、御社に初めて訪問する際に、Googleマップで場所を確認しながら、スマホからサイトを開いて見ていることもよくあるシチュエーションです。
そのとき、小さな画面でも迷わず電話や地図が見れるか、あるいは「夏の炎天下の屋外」でも、画面の文字がくっきり読める配色(コントラスト)になっているかなど…
「かっこいいサイト」よりも、こうした「どんな場所で見ても大丈夫なサイトなのか?」など、「スマホへの配慮」も重要です。
一番問題なのは、「パソコンで見てOKと思って、スマホで一度も確認していない」という方が非常に多いことです。
ケース3:お客様が必ず見ている信用情報|中小企業のホームページの重要性
ホームページをリニューアルなどする際に多くの方は、「どんな新しいデザイン?新機能は?」と言った目立つ部分に目がいきがちです。
「会社概要や沿革なんて、単なる地味な会社情報でしょ?」
と思う気持ちよくわかります。
でも、実はそうではないのです。
中小企業のホームページで、アクセス解析(アナリティクス)を見ると共通したデータが現れます。
私が見てきた中小企業では、閲覧数の上位5位以内に「会社概要」が入り、他にも事業概要、理念、沿革、CSRといったページが良く読まれているという事実です。
お客様は、「この会社は本当に大丈夫?」と確認しています。
問い合わせする前は、必ずと言っていいほど見ています。
※これはどの業種・業態でも同じ結果ですが、特にBtoBや高額な取引の会社は見られています。
見た目のデザインがキレイ、かっこいい仕掛け(アクション)があるかよりも、お客様は「信頼できる根拠」を探しています。
実際に制作をお手伝いした中小企業の例ですが、
その会社は、見た目よりも自分たちの「想い」や「これまでの歩み(沿革)」「事業の概要」を、誠実な言葉で書いてホームページにたくさん掲載しています。
すると、サイトを見たお客様から、こんな嬉しい言葉をいただいたそうです。
「大手さんかと思いました。これだけしっかり情報があると安心です」
お客様は正直です。本当に感謝の気持ちでいっぱいになりました。
これがGoogleの「E-E-A-T」です、SEOにも効果ありと言われています
検索順位を上げるには「E-E-A-T(イー・イー・エー・ティー)が重要」なんて言葉が出てくると、難しそうと拒絶反応が出て、「中小企業には関係ないでしょ?」と思われる方が多いですが、実はそうではないのです。
難しく見えるこの言葉は、実は単純に「画面越しに見る人に優しく・親切にする」ことを言っていると私は考えます。
知名度のない小さな会社でも、画面の先にいるお客様に誠実に向き合えているなら、きちんと評価しますよとGoogleは言っています。本来の意味は実際にはこうですが、Experience(経験・実体験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性・認知度)Trustworthiness(信頼性)。
私は、中小企業の場合は、こうなのでは?と独自に解釈しています。
- Experience(経験)
→現場で起きたことを書く - Empathy(共感)
→画面越しのお客様に親切にする - Authenticity(本物)
→自分の会社の本当の姿を書く - Trust(信頼)
→その積み重ねが信頼になる
※これは、中小企業が実務でできるように読み替えたものです。正式な定義ではございませんが、これを行って実際に、問い合わせが増えたり、検索順位が改善した事例も数多くありました。
まだあります!こんなケースでもコンペに通りません
- 「デザインは最低限にしましょう」 ※凝った装飾は、スマホだと見えないので。
- 「サイト内の構造を軽くして、動きを良くしましょう」 ※無駄な装飾プラグインを減らして、お客様にストレスをかけないため。
- 「予算が多くある場合でも、うちの適正価格だと30万円あまるので、その分を広告に回しませんか?」 ※ホームページで結果を出したいので。
どれも、「画面で見るお客様」にとっては、なくてもいい部分です。
それを減らして大切なことに回しましょう、という話なんですが…これが意外に反応が悪く…。
広告の運用などは、一番イヤな顔をされました。(-_-;)
たぶん、担当者さんの中では「予算を使うこと」自体が仕事なんですね。
だから、減らしましょうという提案は“手抜き”と感じてしまうのでしょうか…。
また不思議なことに、飾りを増やす提案は歓迎されるのに、成果につながるお金の使い方(広告など)は、あまりいい反応がないのです。
「結果が出るホームページ」の方が良いですよね?
派手な動きも、今風?でもない私の提案は、正直コンペではよく負けます。
でも今回の話(表示速度・スマホへの配慮・誠実な会社情報、そして無駄なことをしない)は、どれも「画面の向こうのお客様を喜ばせること」です。
画面がすぐに開いて待ち時間なし、スマホでもしっかり読めて、知りたい信頼情報がきちんとある。
お客様が探しているのは「見た目の格好よさ」ではなく「信頼できる情報」のほうです。
正直に最後に書きますが、もうホームページは日常であたりまえのものです。
見る側は、特別なものをすでに求めていません。自分が見る側のときはそうですね?
普通に読めて、必要な情報がすぐにわかる。そこで大事なのはストレスがないことです。
だからおしゃれなサイトをと、いまだにおっしゃる方には、私も本当に困ってしまいます。
その認識、そろそろ変えられませんか?
だから私は、今日も懲りずにこの「あたり前な提案」をします。
これがWebの本質だからです。
だって、「結果が出るホームページ」の方が良いですよね?
そう考えられる方と、私は仕事がしたいのです。
この記事での「速度・スマホ・会社情報」を、ご自身の手で直す方法は、別の記事にまとめています。
ぜひ合わせてお読みください。→中小企業のホームページの失敗理由7選

