
前回は、中小企業のホームページの「会社概要」改善のための記事を書きましたが、次は「事業概要」です。
事業概要は、「会社案内」の中心となるページです。
中小企業では、「会社概要」1ページに、事業内容・沿革・理念・アクセスなど、すべてをまとめているケースが少なくありません。
でも本来は、それぞれ役割の違う情報です。
会社の成長に合わせてページを分けていくことで、お客様にも伝わりやすいホームページになります。
会社案内には、会社概要、事業概要、沿革、理念、アクセスなど様々なページがあります。
その中でも、事業概要は「この会社なら任せられる」と思ってもらうためのページです。
まず、最初にズバリお聞きしますが、御社の「事業概要」は競合他社と比較された時、「ここに頼みたい」と思わせる魅力がありますか?
よく見かけるのは、業務名だけのメニュー表のようなページや、具体的な仕事がわからないページです。
これでは問い合わせを検討するお客様が、「どんな仕事をしていて、どこまで任せられるのか」が伝わりません。
「事業概要」や会社案内は、情報を書くだけの場所ではなく、会社そのものが表れる重要なページです。
この記事では、お客様や銀行からしっかり信頼されるページづくりのポイントをお伝えします。
事業概要でやってしまいがちな「4つの失敗パターン」
良いサービスを提供していても、「事業概要」が伝わらなかったら、お客様に「実体が見えない」「頼みづらい」という印象を与えてしまいます。代表的な4つの失敗パターンを見ていきましょう。
ケース1:業務名だけが並ぶ「メニュー表」
「Webサイト制作」「システム保守」「マーケティング支援」といった名詞・単語だけが箇条書きで並ぶ。
単なる業務名の羅列では、他社との違いや「自社に頼むメリット」が伝わりません。
お客様から見ると価格比較の対象となり、結果として見積もりが欲しいというだけの価格競争に巻き込まれます。
改善策:業務名ではなく「どんな方の、どのような悩みを、どう解決できるのか」という顧客視点の言葉に置き換えることが大切です。
ケース2:抽象的な表現ばかりで「具体的に頼めること」が見えない
「独自のソリューションで感動をお届けします」「最先端のノウハウで御社の価値を創造する」など、キレイで聞こえの良い言葉ばかりが書かれている。
問い合わせや、発注先を選定したい経営者が求めているのは「熱意」ではなく「手堅い事実」です。
「具体的に何をやって、どうやって利益を出すの?」という想像もできないため、実体がない会社だと判断されます。
改善策: 抽象的な言葉やスローガンを並べるのではなく、どのような手法・仕組みで価値を生み出すのか、客観的な事実を明記する必要があります。
ケース3:何でもできます「風呂敷のひろげすぎ」
「個人から大企業まで対応」「どんな業種・どんな課題でもお任せください」と、ターゲットや対応範囲をどこまでも広げてしまっている。
一見、対応力が高いようにも見えますが、読み手には「専門性がない」と見えてしまいます。
また、ホームページを出している御社も「自社に合わないミスマッチな問い合わせ」が増えるので、対応で現場が疲弊する原因にもなります。
改善策:「得意な領域(できること)」を明確にすると同時に、あらかじめ「お受けできない範囲外の業務」を誠実に提示することで、かえって専門性と信頼感を生み出します。
ケース4:専門用語だらけの「身内の発想(業界あるある)」
業界用語や自社内の略語、難解な技術用語がそのまま載っているケースです。
中の人、業界の人にとっては当たり前でも、お客様は、その分野のプロではありません。
「難しい言葉ばかりでよく分からない」と感じて諦めてしまい、競合他社のサイトへ逃げられます。
改善策: まず、使う専門用語が「お客様に本当に伝わるか?」と吟味すること。
また、アピールは知識がないお客様でもイメージができるように、日常の言葉にして伝える配慮が必要です。
自分たちだけで納得するのはもうやめましょう。
事業概要だけじゃない!御社の「格」を伝える“会社案内ページ”
会社の信頼感を高めるのは、会社概要、事業概要だけではありません。
沿革や代表メッセージ、アクセス情報といった「一見地味に見える会社案内ページ」の作り込むことで、その会社の姿勢や「格」が表れます。
「ただの形式的なページ」として無視してしまうと、知らないうちに大きな機会損失を生むことにもなります。
それぞれのページが持つ本来の役割と、信用を勝ち取るためのポイントを参考にしてください。
- 沿革:御社の歴史そのものの証明
「〇年〇月 設立」「〇年〇月 〇〇支店開設」と、年表のように日付と事実だけを並べて終わっていませんか?
会社が長年続いてきたことが信頼の根拠です。数々の困難を乗り越え、事業を変化させながら生き残ってきた軌跡が伝わることで、お客様や銀行の審査担当者は「強い会社だ」と確信を持ちます。
「創業〇年」日本人が大好きな言葉でもあります。 - 理念・メッセージ:飾りの言葉ではなく「実体験と責任感」の提示
どこかで見たようなカッコいい言葉は、読み手の心には残りません。
本当に求められているのは、代表者自身の「生身」の言葉です。「なぜこの事業を立ち上げたのか」「過去にどんな失敗や悔しい経験があり、そこから何を学んだのか」。代表者の実体験に裏付けされた「想いのある言葉」だからこそ、お客様や取引先は「この会社なら信じられる」と考えます。 - CSR・地域貢献:会社の健全性や「地域との繋がり」の裏付け
「CSR」と聞くと、大企業のような環境保護活動や寄付活動をイメージしがちですが、地域の清掃活動への参加、地元の学生をインターンで受け入れている、業界のガイドラインを厳格に守っている、業界団体で役員をしているなどです。「利益の追求だけではなく、地域や社会に誠実に向き合っている」という姿勢を示すことです。 - アクセス・Googleマップ:お客様、取引先への「配慮が安心感に」の裏付け
正確な住所表記はもちろんですが、Googleマップの記載や、最寄り駅からの徒歩ルート、駐車場の有無など、訪問者の目線に立った親切な案内ができているか確認しましょう。
「会社案内」の一つひとつを丁寧に記載することで、ホームページ全体から「しっかりした会社」という「格」が現れます。取引の際には、お客様はこんな細かなところも見ています。
まとめ:一つずつ育てることで「信頼される会社の器」ができる
会社案内や事業概要は、一度作ったら終わりではありません。事業の成長や時代の変化に合わせて、少しずつ手を加え、誠実な情報を積み重ねていく「育てていく大切なページ」です。
御社の実際の業務も成長とともにどんどん変化していませんか? それに合わせてホームページも進化が必要です。
※逆に「変わらないこと」も大きなアピールポイントです。ぜひ熱く書いてください。
最初からすべてを完璧にはできません。
まずは、自社の事業概要をお客様にわかる言葉に見直して、お客様や取引先の目線になって、チェックすることから始めてください。
かっこいいけど空虚な言葉で飾るではなく、自社ができることの誠実な事実を一つひとつ丁寧に開示していくことこそが、お客様、取引先、銀行から確かな信頼を獲得します。それが、会社の「格」を高める一番の近道です。
最後に、ホームページを見て、信頼してくださったお客様が迷うことなく問い合わせなどに進めるように、ページの最後には「分かりやすい問い合わせへの導線(問い合わせボタンや連絡先)」を忘れずに配置しておきましょう。
事業概要の前に、「この会社は信頼できるのか」の確認のための会社概要があります。
→前の記事では、中小企業のHPの「会社概要」の失敗例です。
私が目指しているのは、その会社の等身大の良い姿を伝えて、「この会社と付き合いたい」とお客様に思っていただけるホームページです。「中小企業が、その会社らしさで選ばれる理由」をつくる。
このシリーズでは、「選ばれる理由」を一緒に考えていきます。
これがまさに、中小企業のWeb戦略(Webブランディング)です。
