
※この記事は、主に中小企業・小規模事業の経営者の方を想定して書いています。
ここまでで、
「なぜ顧客導線がズレてしまうのか」
「多くの会社で同じ問題が起きている理由」
を整理してきました。
では次に、
実際にどこを見直せばいいのか。
たくさん手を入れる前に、
まず最初に押さえるべき、たった1つのポイントを見ていきます。
問い合わせを増やす“たった1つの最優先ポイント”
結論から言います。
問い合わせを増やすために、
最初に・最優先で・必ず直すべき場所は——
👉 TOPページの“冒頭のひとこと(ヒーローエリア)”を
お客様の悩みに合わせて書き換えること。
Webサイト全体を大改修する必要はなく、
デザインを変える必要も、広告費をかける必要もないです。
まず手を付けるべきは、
ページが読み始められる「入り口」の言葉だけ。
ここを変えるだけで、
- 読まれる時間が伸び
- 実績を見てもらえ
- CTAまで辿り着く
- 問い合わせ率が変わる
これは本当に例外がありません。
なぜ “冒頭のひとこと” がすべてを左右するのか?
理由はとてもシンプルです。
① ユーザーは「ここは自分に関係ある?」を探している
スマホの最初のスクロール(1〜2画面)で、
自分の悩みと関係があるかどうかを判断しています。
関係がなさそうだと思えば、離脱。
② “悩みと関係ありそう” と感じた瞬間、読み進めるモードに入る
冒頭で
「まさに自分の状況だ…」
と感じてもらえたサイトは、
その後、ほぼ自動的にページが読まれます。
読む姿勢ができるからです。
③ 最初の数行で、ズレをなくす
経営者の
- 想い
- 技術
- 実績
- 信頼性
これを、お客様の言葉に“翻訳”して並べる場所。
つまり、お客様の視点に置き直す“入り口”。
ここが曖昧だと、価値の伝達は始まりません。
では、具体的に何をどう書けばいいのか?
ここは強みをそのまま書きます。
👉 お客様の悩みを “10個” 書き出す
👉 その悩みを「私たちは〇〇できます」に言い換える
例:
「問い合わせが少ない」
→「問い合わせを増やしたい中小企業のための〇〇」
「強みが伝わらない」
→「御社の“眠っている魅力”を見える化します」
この “悩み → 言い換え” の作業こそ、
伝わる形に整えることそのものです。
このひとことに込めるべき“3つの要素”
問い合わせが増えるサイトのヒーローエリアには、
必ずこの3つが入っています:
- 誰の悩みを扱っている会社なのか
- どんな解決ができる会社なのか
- 信頼できる空気感(写真・色・雰囲気)
この3つの“印象”がそろって初めて、
ユーザーは 「ここ、私に合ってるかも」 と思います。
「大きく変わる」のはデザインではなく、“読み手の状態”
多くのサイト改善はデザインに目が行きがちですが、
大事なのは ユーザーの“心の状態”を変えること。
冒頭の言葉を変えるだけで、
ユーザーの心の動きはこんな風に変わります:
Before
「なんの会社? 自分に関係ある?」
→ 離脱
After
「これは…私の状況に近い」
→ 滞在する
→ 強みを読む
→ CTAに進む
問い合わせは“必然”に変わる。
すぐに分かる「ビフォー → アフター5例」
ビフォー/アフターを強化するには?
「何がどう変わるか」が分かる言葉にする。
- Before を読者視点の悩み表現に変える
- After に期待される成果・変化を短く添える
こうすると読者は、
👉 自分の課題と改善後の未来を一瞬で想像
できるようになります。
例①:工務店(Before → After)
Before:会社視点の説明文 → 読者の反応が薄い
After:悩みをそのまま解決につなげて、関心が一気に上がる表現
例②:士業・コンサル
Before:抽象的に「サポートします」
After:具体的な成果を提示し、読者が自分ごと化しやすい
例③:美容院
Before:一般的な技術・説明
After:悩みが解消された後の未来を描く
例④:採用サイト
Before:方向性だけの企業説明
After:応募者の“理想の生活”を描かせる
例⑤:健康系
Before:成分・スペック中心
After:体感・変化中心
👉 スペックや想いだけではなく、
使ったあと・頼んだあとの「変化」が頭に浮かぶことが、
お客様にとっての価値になります。
レビューの一言が「最強のコピー」になる理由
本当に刺さる言葉は、会社がひねり出したコピーではなく、
お客様からいただく感想やレビューの一言です。
会社が書くと「説明」になり、
お客様が語ると「感情」になります。
「つらかった毎日がうそのようです」
「これを使うのが楽しみになりました」
「朝がラクってこんなに気持ちいいんですね」
こうした一言は、
会社がどれだけ努力しても生み出せない“本物のお客様の言葉”。
CVが動くのは、いつもこの“感情の言葉”側です。
つまり、会社がどれだけ考えても届かなかった言葉が、
お客様のひとことで突然伝わり始めることがある。
だからこそ、冒頭の言葉を“会社目線”ではなく、
“お客様の感情”側に寄せることが最優先なのです。
今日からできる改善ステップ(0円でできる)
問い合わせを増やすための改善は、
何十万円もするリニューアルでも、
専門家だけができる難しい技術でもないです。
0円で、今日からすぐにできる。
しかも、ほとんどの会社がまだやっていない
“効果が大きいのに、取り組む人が少ない改善” です。
ここでは、迷わず着手できるように
最短ルートで成果につながる5ステップ をまとめます。
① お客様の“悩み”を10個書き出す(3分でOK)
まずは紙でもメモアプリでもいいので
「お客様が実際に困っていること」 を10個出します。
ポイントは:
- 綺麗に書こうとしない
- 業界用語を使わない
- “お客様自身の言葉”を思い出す
例)
- 問い合わせが少ない
- 強みが伝わらない
- 何を選べばいいか分からない
- ちゃんと相談に乗ってくれる人を探している
- 価格だけで選ばれたくない
書けるだけで十分です。
この作業は 伝わる形に整える入口 になる最重要ステップです。
② その悩みを「私たちは〇〇できます」に言い換える
次に、書き出した悩みを
“解決の言葉”にひっくり返します。
例:
「問い合わせが少ない」
→「問い合わせが増える導線を整えます」
「強みが伝わらない」
→「御社の“眠っている魅力”を可視化します」
ここで 専門用語は絶対に使わない。
お客様の“日常の言葉”に寄せるほど、伝わりやすくなります。
③ TOPの“冒頭のひとこと”をこの言い換えで書き換える
悩み → 言い換え ができたら、
それを ヒーローエリアの一行目(または二行目) に入れます。
ここを変えるだけで
ページ全体の読み進み率(=CVRの前段)が変わる。
例:
「予算内で“ここまでできるの!?”と驚かれるリフォームをしています」
「強みが伝わらず埋もれている会社の“魅力の翻訳”を行います」
いちばん大事なのは
“誰の、どんな悩みを解決する会社か” が一瞬で伝わること。
④ CTA(導線)を1つに絞る
多くの会社がここで失敗しています。
- 資料請求
- 問い合わせ
- 電話
- LINE
- 無料相談
- お知らせ
- 実績
- 採用
これが全部並んでいたら、読者は迷います。
迷った瞬間、行動しません。
だからまずは
「このボタンを押せばいいんだ」と一瞬で分かる導線 を作ってください。
例:
- 「まずは無料相談(30分)」
- 「問い合わせはこちら」
- 「改善ポイントを知りたい方はこちら」
行動のハードルは“低く・1つに”。
⑤ スマホで最初の2画面をチェックする(必須)
パソコンではなく スマホ で見てください。
なぜなら、最初の5秒(=2画面)で判断されるのはスマホだから。
チェックポイントは3つ:
- 誰に向けたサービスか分かる?
- どんな悩みを解決するか分かる?
- 行動導線が見える?
できれば 家族やスタッフに1分だけ見てもらう。
「これ、何の会社だと思った?」
と聞くだけで、改善ポイントが一瞬で分かります。
今日からできる“0円改善”のまとめ
- 悩みを10個書く
- 「私たちは〇〇できます」に言い換える
- 冒頭のひとことで伝える
- CTAを1つに絞る
- スマホの最初の2画面を最優先で整える
これで、問い合わせは「運」ではなく
“必然”の状態に変わり始めます。
まとめ:問い合わせは“運”でも“SEOの魔法”でもない
ここまで読んでいただければ、
問い合わせが増えない理由は
“複雑な技術”でも“業界の不況”でもない、
ということが分かったはずです。
その原因はただ一つ。
「最初の3〜5秒」で
“この会社は私の悩みを分かっている”
と伝えられていなかっただけ。
そして、改善もまた、とてもシンプルです。
最初の3秒で「誰の、どんな悩みを解決する会社か」だけ伝える
- 長い会社紹介も
- 難しい専門用語も
- 格好つけたキャッチコピーも
必要ありません。
お客様が知りたいのは唯一つ:
「私はここで、悩みを解決できるのか?」
この問いに最初の3秒で答えられた会社は、
必ず読まれ、必ず選ばれます。
小さな“言葉の置き換え”が、CVを大きく変える
問い合わせは、
- 広告費
- デザイン刷新
- 高度なSEO
で決まるものではないです。
“言葉の順番” と “見せ方” を
ほんの少し変えるだけで、
読者の心の動きはがらりと変わる。
これは25年間の現場で
一度も例外がなかった “絶対法則” です。
0円で始められるのに、効果は大きい
今日からできる5ステップは、すべて0円。
- 悩みを書き出す
- 言い換える
- 一行目に置く
- 導線を絞る
- 最初の2画面を整える
これらを実践するだけで、
“問い合わせが来る流れ” が自然につくられます。
問い合わせは“設計できるもの”に変わる
この記事のゴールはただ一つ。
読者が
「問い合わせは、運ではなく設計できるもの」
と理解すること。
自社の魅力は、まだ埋もれているだけ。
それを「お客様が理解できる言葉」に翻訳して伝えれば、
問い合わせは必然へと変わります。
最後に
もしこの記事を読んで
「うちの場合はどう言い換えればいい?」
「うちの悩みは10個も出てこない…」
と思ったら、それはもう改善の入口に立っている証拠。
会社が本来持っている魅力は、
“見える化”した瞬間から伝わり始めます。
御社の価値をしっかり翻訳し伝えることで、
それを一気に加速させます。
この1本の記事が、
迷っていた経営者にとって
“ビジネスの流れが変わるきっかけ”になれば嬉しいです。
※この記事は「直し方」にフォーカスしています。
なぜ顧客導線がズレるのかを整理した
👉 【経営者編6|理解編】顧客導線がズレる理由 はこちら。
