【経営者編8|理解編】初めてのお客様に、なぜあなたの価値は届かないのか

※この記事は、主に中小企業・小規模事業の経営者の方を想定して書いています。

多くの経営者は、
「新規のお客様を増やしたい」
と考えています。

ところが実際には、
新規を取りたいと言いながら、
発信や説明の多くが
「慣れている人」基準で作られています。

これは怠慢でも、意識不足でもありません。
長く事業を続けていれば、
どうしても
分かってくれている人、
これまでのお客様、
業界を知っている人を前提に
考えてしまうからです。

ただ、新規のお客様は違います。
初めての方は、前提も、判断軸も持っていません。

だからこそ、
すべてを「初めてのお客様」基準で考える。
この視点に立ったとき、
伝え方だけでなく、
会社全体の構造が整い始めます。

このページでは、
なぜ「初めてのお客様」を基準にすると
うまくいくのか。
その考え方を、順を追って整理していきます。

目次

初めてのお客様を基準に考えると、なぜうまくいくのか

多くの経営者は、
「新規のお客様を増やしたい」
と考えています。

これは特別な欲張りではありません。
事業を続けていく以上、
新しい出会いが必要になるのは自然なことです。

ただ、実際のWebサイトや説明を見てみると、
初めてのお客様を基準に設計されていない
ケースがとても多い。

  • これまでのお客様なら分かるだろう
  • 業界の話は、ある程度知っているはず
  • ここは説明しなくても伝わるだろう

そんな前提が、
無意識のうちに入ってしまいます。

その結果、
新規を取りたいと言っているのに、
新規の方にとっては判断しにくい構造
になってしまうのです。

新規が来ないのは、努力や熱量の問題ではない

ここで大切なのは、
「頑張っていないから」
「説明が足りないから」
という話ではない、ということです。

多くの会社は、

  • 情報も出している
  • サービス内容も説明している
  • 想いや実績も積み重ねている

それでも、
初めてのお客様が
「よく分からないまま離れる」
ということが起きます。

理由はシンプルで、
考える基準が「慣れている人」になっている
からです。

初めてのお客様を基準にする、という考え方

ここで言う
「初めてのお客様を基準にする」とは、
レベルを下げることでも、
専門性を隠すことでもありません。

判断の起点を、
いちばん前に戻す
ということです。

初めてのお客様は、
あなたの会社について、

  • どんな会社なのか
  • 自分に関係があるのか
  • 何を基準に見ればいいのか

を、まだ知りません。

この状態を前提にして考えると、

  • どこから説明すべきか
  • 何を先に見せるべきか
  • どこで判断してもらうのか

が、自然と整理されていきます。

「慣れている人」を基準にすると起きるズレ

事業を続けていると、
どうしても
「分かっている人」
を想定して話してしまいます。

でも、その前提は
初めてのお客様には共有されていません。

そのため、

  • 話が飛んで見える
  • どこが重要なのか分からない
  • 判断材料を見つけられない

という状態が生まれます。

これは、
伝え方の問題ではなく、
順番の問題です。

すべてを初めてのお客様基準にすると、全体が整う

不思議なことに、
初めてのお客様を基準にして設計すると、

  • 新規のお客様
  • 既存のお客様
  • 紹介で来た方
  • 社内のスタッフ

すべてにとって
分かりやすくなります。

なぜなら、
全体の構造が見えるからです。

説明を増やしたわけでも、
表現をやさしくしたわけでもありません。

判断の道筋が、
整理されただけです。

「物語」は主役ではなく、補助線

ここでよく出てくる言葉が、
「物語」「ストーリー」です。

ただし、
ここで言う物語は、

  • 感動させる話
  • 創業ストーリー
  • 熱い想いを語ること

ではありません。

物語とは、
理解の順番を整えるための補助線
のようなものです。

  • なぜこの話から始まるのか
  • 次にどこを見ればいいのか
  • どう判断すればいいのか

初めてのお客様が迷わないために、
全体をつなぐ役割を担います。

スペック勝負が成り立つ場面も、確かにある

誤解してほしくないのは、
物語がなければ価値が伝わらない、
という話ではないことです。

  • 価格
  • 性能
  • 実績

これらが
判断の決め手になる場面も、
確かにあります。

ただ、初めてのお客様にとっては、
「どのスペックを、どう見ればいいか」
が分からないことも多い。

そのときに、
判断の順番を整える補助として、
物語が役に立つ場合があります。

初めてのお客様は、もっとも現実的な基準点

初めてのお客様は、

  • 好意も
  • 思い入れも
  • 前提知識も

ほとんどありません。

だからこそ、
ここを基準に考えると、
ごまかしが効かなくなります。

売るためではなく、
判断しやすくするために整える。

この姿勢がある会社ほど、
結果的に
安定して選ばれるようになります。

初めてのお客様には届かない原因を整理しました。
👉 【経営者編8|構造編】初めてのお客様に、
なぜあなたの価値は届かないのか

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