
お客様へのインタビューが苦手、
という経営者の方は、実はとても多いです。
でも、その理由は
「うまく話せないから」でも
「言語化が苦手だから」でもありません。
多くの場合、
自分の商品やサービスについて、
どう受け取られているのかを聞くこと自体が、
少し難しく感じられているだけだと思います。
だからインタビューは、
いつのまにか「褒めてもらう場」になり、
無難で、きれいで、
何も改善につながらない記事が出来上がってしまいます。
インタビューが空洞になる理由
経営者にとって、
商品やサービスは「モノ」ではありません。
- 時間
- 判断
- 責任
- 失敗
- 覚悟
そのすべてが詰まったものです。
だからこそ、
否定される=自分を否定される
ように感じてしまう。
その気持ちは、
とても自然なものだと思っています。
でも、お客様は思っている以上に穏やかです
ここで、ひとつ大事な前提があります。
お客様は、
思っている以上に優しい方が多いです。
- お金を払っても
- 不満があっても
- 面と向かって強く文句を言わない
むしろ、
- 気を使ってくれる
- 丁寧に接してくれる
- そして、静かに離れていく
そんな人の方が、ずっと多い。
さらに怖いのは、
不満があっても
褒めてくれるお客様までいることです。
そして、
褒められている=問題がない
ではありません。
何も言われない状態こそ、
一番、危ないと思っていただきたい…。
「褒めるインタビュー」では、改善点が見つからない
インタビューが
「良かった点」だけで終わってしまうと、
- 改善点が見えない
- 次に活かせない
- お客様の本音を聞かないまま終わる
という結果になります。
それは、
せっかくの機会を
一番もったいない形で使っている状態です。
導入事例に、すべてを載せなくもいい前提で話してみては?
多くの経営者は、
こう思っています。
インタビューで話したことは、
すべて世の中に出る
=だから、悪い話はできない
でも、
それは完全に別の話です。
- 改善のためだけのインタビュー
- 社内共有のための声
- 次の一手を考える材料
それらを
無理に導入事例に載せる必要はありません。
むしろ、
載せないからこそ、
本音が出てきます。
聞くタイミングを、後ろにずらす
※ ここがポイントです
おすすめしているのは、
インタビューを締めたあとに聞くことです。
たとえば、こんな一言。
最後にひとつだけ、
これは導入事例には載せません。
改善のために聞かせてください。
決める直前まで、何で迷っていましたか?
この質問は、
- 否定にならない
- 人にも向かない
- でも、不安や迷いを明確に言ってもらえる
嫌な思いの芽だけを、自然に拾える質問です。
お客様を、もっと信頼していい
お客様は、
文句を言うために答えるわけではありません。
- ちゃんと使ったから
- ちゃんと迷ったから
- ちゃんと考えたから
だから、
改善点を持っています。
怖がる必要はありません。
一番、情報を持っているのは現場です
もうひとつ、
見落とされがちな大事な点があります。
それは、
お客様対応をしているスタッフの声。
- 問い合わせで何を聞かれたか
- どこで迷っていたか
- どこで不安そうだったか
これを一番知っているのは、
現場の担当者です。
オーナーの判断だけで完結させてしまうと、
この情報が、すべて消えてしまいます。
インタビューは、正解を出す場ではありません
インタビューは、
- 褒めてもらう場ではない
- 立派な言葉を言う場でもない
より良くする材料を集める場です。
- お客様を信頼して
- 現場の声も一緒に聞く
それだけで、
見えなかった改善点は、
ちゃんと浮かび上がってきます。
インタビュー項目は「業態別に必ずカスタムします」
ここで、ひとつだけ
はっきりさせておきたいことがあります。
インタビュー項目に
「正解の形」や「万能テンプレート」はありません。
業態が違えば、
- お客様が迷うポイントも
- 不安に感じる瞬間も
- 比較される相手も
すべて変わるからです。
型は出しますが、そのまま使う前提ではありません
この記事では、
インタビュー項目の基本的な型は紹介します。
ただし、それは
そのまま使うためのものではありません。
実際の現場では、
- どの商品・サービスか
- 誰に向けたものか
- 価格帯
- 購入(契約)までの流れ
を確認した上で、
オーナーと一緒に質問を組み立てています。
なぜ、一緒に作るのか
理由はシンプルです。
- オーナー自身が
「どこを知りたいのか」を整理できる - インタビューの目的がブレなくなる
- 聞いてはいけないこと/
聞いた方がいいことの線引きができる
結果として、
いいインタビューになります。
テンプレートをそのまま使うと、うまくいかない理由
よくある失敗は、
- 他社事例の質問をそのまま流用する
- 本やネットに載っていた質問を並べる
- 業態に合わないまま聞いてしまう
その結果、
- 表面的な答えしか出ない
- 本音が出ない
- 改善点が見つからない
という状態になります。
インタビュー項目は「たたき」で十分です
大事なのは、
完璧な質問集を作ることではありません。
- 何を知りたいのか
- どこで迷わせているのか
- どこに不安が残っているのか
それを一緒に確認しながら、
質問を調整していくこと。
インタビューは、
そのための「会話の設計」です。
だから、私はこうしています
業態が分かっている場合、
私はいつも、
- 基本の型を出す
- オーナーと一緒に並び替える
- 「これは載せない」「これは聞くだけ」を分ける
この順番で、
インタビュー項目を作っています。
そうすることで、
現実に使えるインタビューになります。
インタビュー項目|ざっくりテンプレート(たたき台)
※ 業態・商材・価格帯によって
必ず順番・聞き方・深さは変えます。
あくまで「考えるための型」です。
① 利用前の状況を知る(前提確認)
- どんな状況で、この商品・サービスを探していましたか?
- 当時、何に一番困っていましたか?
- そのとき、最初に不安だったことは何でしたか?
② 比較・検討のプロセス
- 他に検討したものはありましたか?
- 比較するとき、何を基準にしていましたか?
- 正直に言うと、どこが不安でしたか?
③ 【核】決断直前の迷い
- 決める直前まで、何で迷っていましたか?
- その迷いは、どうやって解消されましたか?
- 最後の一押しになったのは、何でしたか?
④ 実際に使ってみて
- 使ってみて、想像と違った点はありましたか?
- 「これは良かった」と感じた点はどこですか?
- 逆に、「少し気になった点」はありますか?
⑤ 人に説明するとしたら
- もし知人に説明するとしたら、どう説明しますか?
- どんな人に向いていると思いますか?
- 逆に、向いていない人はどんな人だと思いますか?
⑥ 【非公開前提】改善のための質問
※ ここからは
導入事例などで、公開するための質問ではありません。
社内改善のためだけに聞く質問です。
- もし一つだけ改善できるとしたら、どこですか?
- 初めて使う人が迷いそうな点はありますか?
- 途中で「これで合ってるかな?」と感じた場面はありましたか?
+ここからが重要
- 他に、最後まで迷った商品やサービスはありましたか?
- そのとき、何が引っかかっていましたか?
- もしそちらを選ばなかった理由があるとしたら、何ですか?
この質問で出てくるのは、
競合の強みではなく、
自分たちが解消しきれていなかった不安です。
このテンプレートの使い方(重要)
- すべて聞く必要はありません
- 順番どおりでなくていい
- 業態に合わないものは削ってOK
大事なのは
「迷い・不安・引っかかり」がどこにあったかを
立体的に見ること。
現場ではこう使っています(補足)
- オーナーと一緒に
「どこを知りたいか」を確認 - 公開する質問/しない質問を分ける
- スタッフの声と照らし合わせる
このテンプレートは
インタビューに不安を感じている時に
土台になる内容です。
インタビュー項目を完成させるときは、
お客様担当のスタッフの声も必ず入れてください。
オーナーが気づいていない情報を、
いちばん持っているのは現場です。
また実際には、
経営者がインタビューをするよりも、
お客様対応をしているスタッフが聞いた方が、
本音が出やすいケースも多いと感じています。
質問の上手さよりも、
話しやすい空気をつくれるかどうかが大切です。
