
実践編1では、
「お客様がどんな順番で判断し、どこで迷い、どこで離脱するのか」
——この“判断プロセス”をもとに、
ページ全体の流れを整える方法をお伝えしました。
しかし、迷わない導線をつくっただけでは、
まだ “選ばれるページ” にはなりません。
お客様は必ず比較し、
その比較の瞬間に 「なんかいい」「ここが安心できる」 を
感じられる会社が選ばれます。
そこで 実践編2 では、
- ページの“定型化”がなぜ売上に直結するのか
- 比較表に入れるべき「本当の判断基準」
- 弱みを正直に書くと信頼が跳ね上がる理由
- 「最後の一押し」が決まるクロージング導線
など、
比較されても選ばれる“売れるページの型” を具体的に解説します。
あなたの会社のホームページが 「選ばれる側」 に変わるための
最重要ポイントです。
どの商品(サービス)でも使える“ページの型”を作る
ページづくりで一番やってはいけないのは、
「商品ごと、似たサービスごとにレイアウトをバラバラにすること」。
売れている企業は必ず
“型(パターン)” を持っています。
そしてこの “型” は
デザインの手抜きではなく、
「お客様の理解負荷を減らす」という
最高レベルのUX技術です。
① ページを定型化すると「迷わない」になる
どんな商品でも、
情報の並びが同じだと、読み手はストレスを感じません。
- どこに何があるのか
- どの順番で説明されるのか
- どの位置に価格や特徴があるのか
これが“予測できる状態”になると、
お客様は安心して比較・判断ができます。
そしてもうひとつ、とても大きな効果があります。
定型化されたページは “特にECで” ファンが増えやすい
ECの場合、
お客様は「複数の商品」を短時間で見ることが多い。
だから、
毎回同じレイアウトで情報が並ぶこと自体が
“安心の体験”になる。
- 「ここの商品ページ、見やすい」
- 「比較がラク」
- 「なんか心地いい」
- 「ここ、もう一回見たい」
こうした小さな快適体験が繰り返されると、
お客様は自然と そのショップのファン になっていく。
特にECでは
“迷わない体験”=一番の信頼感
になる。
逆に、
毎回レイアウトが違うショップは
- 情報を探すのに疲れる
- 比較しにくい
- 「なんか見づらい」と感じる
結果、
ファン化どころか 離脱と比較負け を引き起こす。
「ECは特に、分かりやすさがファン化につながる。
“迷わないショップ”は愛されやすい。」
② 毎回、企画やデザインを変える企業は“お客様の負担”を増やしている
商品のたびにレイアウトを変えるのは
企業側から見ると「こだわり」だけど、
お客様から見ると
「毎回ゼロから理解し直す地獄」。
- 「どこ見ればいいの?」
- 「価格どこ?」
- 「比較しにくい」
- 「情報の並びがバラバラ」
この状態は 視線の迷子 を生み、
購買意欲は一瞬で下がる。
“似てて、ちゃんと違いが分かるLP”
これを目指しましょう。
これはUXの最高技術なんですよ。
③ 型があると“比較”が最高にしやすくなる
定型化の最大のメリットは、
お客様が自分で比較してくれること。
量、価格、セット内容、特徴、強み、使い方…
全部“同じ位置”に置かれていると、
お客様は一瞬で判断できる。
- まとめ買いが増える
- ついで買いが増える
- セット比較で売上が跳ねる
につながる正体。
④ 定型化 × 価値翻訳が最強の組み合わせ
定型化は
“理解負荷を減らす技術”。
価値翻訳は
“魅力を伝える技術”。
この2つを組み合わせると
「迷わない × 伝わる」
= CVR(成約率)が跳ね上がる構造
が完成する。
形をそろえるからこそ、
価値の違いがくっきり見え、
“なんかいい” が増えていく。
「型は手抜きじゃない。
お客様が迷わないための“最高の優しさ”。」
そして──
「デザインは“かわいさ・安心・比較しやすさ”
この3つを邪魔しなければいい。」
比較されても負けない“違いの見せ方”
お客様は必ず 比較 します。
むしろ比較しない人はいません。
そして比較される瞬間に、
多くの企業が“見せ方の間違い”で負けてしまいます。
ここでは、比較で勝つための
「違いの伝え方の技術」 をまとめます。
① 違いが伝わらない企業の共通点
ほとんどの企業が “差” を説明できていない理由は3つ。
- 自分たちの強みが言語化されていない
- 弱みを隠しすぎて逆に不安を生んでいる
- 違いを「量・価格」で語ってしまう
特に 3. は危険で、
価格で勝てなくなった瞬間に他社に飲み込まれる。
“本質的な違い”を語れなければ、比較では絶対に勝てない。
② 比較表に入れるべき“本当の判断基準”はこれ
比較表には、企業が入れたい項目ではなく、
“お客様が本当に判断で使う項目” を入れる必要があります。
- 安心につながる根拠
- 品質の一番の違い
- サポート体制
- 失敗しないための情報
- 他社にないメリット
- 好みに合うかどうか(ECで最強)
- かわいさ・デザイン性(Z世代の重視ポイント)
ポイントは、
お客様の本音で比較されている項目だけ載せる。
自社が言いたい項目は入れなくていい。
③ 強みと弱みを“正直に”書くほうが信頼される
比較で勝つ企業は 弱みも正直に書く。
- 「〇〇は得意ではありません」
- 「△△の部分は当社より優れている会社もあります」
- 「場合によっては他社のほうが向いています」
こう書くと、逆に信頼が跳ね上がる。
なぜか?
隠す会社より、正直な会社のほうが“安心できる存在”になるから。
そして安心は、比較の世界では最強の武器。
④ 他社を悪く言わずに“差”を伝える方法
比較で一番やってはいけないのは
他社を下げて自社を上げること。
これは逆効果になりやすい。
正しい伝え方はこう。
- 「当社は〇〇を大事にしています」
- 「△△は他社様が強い部分です」
- 「お客様の用途によって最適が変わります」
こうした “誠実な差の伝え方” が
不安を消し、信頼を生み、比較で勝つ力になる。
まとめ:違いの本質は“量と価格”ではなく“納得感”
比較に勝つのは、安さでも派手さでもない。
“納得感” と “安心感” がある会社。
違いが清く・正しく・やさしく伝われば、
お客様は迷わず選ぶ。
「比較は戦いじゃない。
お客様が“後悔しない選択”をさせてあげること。」
最後に“決めたくなる”クロージング導線
ページの最後は、
お客様が 「よし、ここに問い合わせよう」 と思うか、
「うーん…保留」 に戻るかの分岐点。
しかし多くの企業は、
ここで 言うことがなくなってしまう。
その結果——
- 「誠心誠意がんばります」
- 「しっかりご要望をお伺いします」
- 「お気軽にご相談ください」
この “最後の3パターン” だけしか出なくなる。
読者からすると悪い言葉じゃないけれど、
決め手にはならない。
なぜか?
最後に“決めたくなる”クロージング導線
ページの最後は、
お客様が 「よし、この会社に相談しよう」 と決めるか、
「やっぱり保留にしよう」 と戻るかの分岐点です。
しかし多くの企業は、
ここで 急に言葉が尽きてしまう という共通の悩みを抱えています。
その結果——
- 「誠心誠意がんばります」
- 「しっかりご要望をお伺いします」
- 「お気軽にご相談ください」
といった“最後の3パターン”だけになりがちです。
もちろん悪い言葉ではありませんが、
これだけでは決め手になりません。
なぜならお客様が求めているのは
“熱意” ではなく 安心 だからです。
① 最後のひと押しを決める“3つの安心材料”
クロージングで大切なのは「期待を上げる」ことではなく、
「不安を下げる」こと。
そのために、たった3つを短く書くだけで十分です。
- 問い合わせ後の流れがわかること
- 強引な営業はしないとハッキリ伝えること
- ミスマッチの場合は断れると書くこと
この3つがあるだけで、
お客様は 「なんか安心」 を感じてくれます。
② “頑張ります”しか書けなくなる理由
最後に言うことがなくなる企業は、
決して誠意がないわけではありません。
単に、
「お客様が何に不安を感じているか」
を知らないだけ。
だから最終的に出てくるのが
「頑張ります」「一生懸命対応します」になってしまうのです。
③ でも最後の最後に添えるべきは、“誠実な一言”
最後の最後は、
長い説明や強い主張は必要ありません。
押しつけず、やさしく、
“あなたの困りごとに寄り添います” という
誠実な気持ち を短く伝えるだけで十分です。
「あなたのお困りごとが少しでも軽くなるように、
私たちも丁寧にお手伝いします。
まずはお気軽にご相談ください。」
これ以上書かなくて大丈夫。
“丁寧さ” が伝わる一言が、
もっとも安心感を生みます。
まとめ:クロージングは熱意ではなく“安心”で決まる
「最後は“がんばります”ではなく、
“あなたは大丈夫ですよ”の安心を置くこと。」
この一言があるだけで、
ページ全体が優しく締まり、
問い合わせへの心理的ハードルが一気に下がります。
まとめ
ここまで見てきたように、
“顧客目線の理解” と “判断プロセスの把握” は、
ただの知識ではなく、ページ改善の 土台そのもの です。
お客様は常に、
- どこで不安になり
- どこで迷い
- どこで「やめて」
- どこで「いいかも」と感じ
- どこで比較し
- どこで決めるか
この流れの中でページを読んでいます。
そして、
ここを理解せずにページを作ると、
どれだけ手間をかけても成果が伸びない。
逆に、今日の内容をおさえるだけで
ページ全体の質が一気に上がります。
【まとめ】
お客様は「買わない理由」ではなく「買う理由」で動く
企業側の主観だけで作ると、必ず“ズレ”が生まれる
判断プロセスの順番に沿うと、お客様は迷わなくなる
これが、
成果の出るページの共通点 です。
✔ 次へ:経営者編5で扱うテーマ
経営者編4(=このページ)は、
“顧客の判断プロセスに沿った作り方” の 実践編 でした。
そして 次の経営者編5 では、
さらに一歩進んで、
「伝え方の差で、結果がどれほど変わるのか」
「同じ情報でも“読みたくなる文章”はどう作るか?」
「誤解・不安・離脱をどう回避するか?」
といった、
“読み手の感情を動かす文章のつくり方” に入ります。
ページの構造だけでなく、
言葉の置き方・ニュアンス・順番・強弱 に踏み込むパート。
ケイが最も得意とする領域が、いよいよ表に出てくる章です。
✔ 最後に読者へのひと言
「ここまで整えられたら、次はいよいよ“言葉の力”で成果を変えるパートです。
難しくありません。一緒に整えていきましょう。」
