新幹線で別れ話をされた日のこと - 私は今でも、4号車に乗らない

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同じ東京駅、違う行き先

その日は、たまたま出張が同じになった。

東京駅から、
彼は 名古屋。
私は 大阪。

お互い忙しくて、
しばらくちゃんと話せていなかったから、
新幹線に乗るまでの時間、久しぶりにゆっくり話した。

この時点では、
まだ何も起きていない。
本当に。

降りる10分前

名古屋に着く、10分くらい前。

彼が、わりと普通のトーンで言った。

「別れてくれ」

……はあ???

え、いま?
ここで?
しかも新幹線?

理由は、ふわっとしている

理由を聞いた。

返ってきたのは、
「忙しいじゃん」
「なかなか会えないし」

以上。

私は、
「え、私、なんかした?」
と必死に考えた。

でも、特に思い当たらない。
というか、説明が足りない。

今思えば、兆候はあった

あとから思えば、
兆候はちゃんとあった。

最初のころは、
ごはんをおごってくれたりしていたのに、
だんだん、家に来るときも
ビールを買ってこなくなった。

さらにそのうち、
「あなた事業主でしょ?」
「経費で落ちるじゃん」

とか言い出した。

それは経費ではなく、
彼の飲み代である。

のぞみ4号車に取り残される

名古屋で、彼は降りた。

私は、
のぞみの4号車に取り残されたまま、
大阪へ向かった。

さすがにこの時だけは、泣いた。

人生で、
新幹線の中で泣く経験は、
そうそうない。

後日談が強すぎる

しばらくして、
彼が結婚したことを知った。

相手は、
以前「働く女が好き」と言っていた彼が選んだ、
専業主婦みたいな女性だった。

しかも、

「結婚したら、いい家に住めるね」
「車もいいの買えるね」

と言っていた通りの人生を歩んでいた。

人生は、
伏線回収が早い。

めめしい時期(短め)

そのあと、2か月くらい。

私は、新幹線に乗るたびに、
毎回、泣いていた。

めめしい。

でも、ここまで。

今でも…

今でも私は、
4号車には乗らない。

理由は、縁起が悪いから、ということにしている。

本当は、
いろんな意味で、
乗らなくてよかった車両だと思っている。

追記(心の声)

今だから言えるけど、
あのとき別れていなかったら、
私の人生の経費は、
彼にだいぶ吸われていたと思う。

4号車、
グッジョブ。

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