
「ブランディングの成功とは何ですか?」
これは、
これまで何度も聞かれてきた質問です。
そして正直に言うと、
私はこの質問に、ずっと違和感を持ってきました。
なぜなら、
ブランディングは「成功した・失敗した」と
簡単に区切れるものではないからです。
売上が上がれば、成功なのか?
多くの人が、
ブランディングの成功をこう考えます。
- 売上が上がった
- 問い合わせが増えた
- 成約率が改善した
もちろん、
これらは大切な成果です。
でも私は、
それだけを「成功」と呼ぶことに、
少し危うさを感じています。
なぜなら、
数字は「結果」であって、
原因ではないからです。
数字の前に、必ず起きていること
売上や問い合わせが伸びたとき、
その前段階では、必ずこうした変化が起きています。
- 会社やサービスの価値が、伝わるようになった
- 比較されたときに、選ばれる理由が生まれた
- お客様が「納得して」問い合わせてくるようになった
つまり、
お客様の頭の中の整理が進んだ状態です。
私は、
ここが整っていないまま数字だけを追うと、
ブランディングはすぐに破綻すると考えています。
私が考える、ブランディングの成功
私が考えるブランディングの成功は、
もう少し地味で、でも本質的です。
それは、
「なぜ、この会社を選ぶのか」
その理由を、お客様自身が
迷わず説明できる状態になること。
これができて初めて、
数字は安定して積み上がっていきます。
成功を急ぐと、うまくいかない理由
ブランディングでよくある失敗は、
- いきなり結果を求めすぎる
- 成功事例をそのまま真似する
- 表現やデザインだけを整える
こうした「近道」を選んでしまうことです。
でも実際には、
- 価値の整理
- 強みの言語化
- 伝え方の順番
こうした地味な作業を飛ばすと、
どれだけお金や時間をかけても、
成果は長続きしません。
中小企業にとっての、現実的な成功
中小企業のブランディングは、
大企業のような華やかな成功とは違います。
私が現場で見てきた
「うまくいっている会社」は、
- 派手ではない
- でも、迷いがない
- お客様との関係が安定している
という共通点を持っています。
これは、
「伝わり方が整った結果」
生まれる状態です。
成功は、あとからついてくる
だから私は、
ブランディングをこう捉えています。
- 成功を目指すものではなく
- 成功しやすい状態をつくるもの
売上や問い合わせは、
その「結果」として、
あとからついてきます。
まとめ
ブランディングの成功とは、
- 一時的な数字の伸びではなく
- お客様の中に、
「選ぶ理由」が残ること
だと、私は考えています。
その理由が積み重なった先に、
安定した成果があります。
もし今、
- ブランディングがうまくいっている気がしない
- 何を成功とすればいいかわからない
- 数字ばかりが気になって苦しい
そう感じているなら、
まずは伝わり方の整理から始めてみてください。
そこが整えば、
ブランディングはちゃんと前に進みます。
ブランディングの「成功」を
簡単に言い切れないのは、
それだけ人や会社に関わるものだからだと思っています。
(執筆者:ケイ)
