
「コンセプト」という言葉は、
デザインやWeb制作、商品開発など、
さまざまな場面で使われています。
ただし、よく使われる一方で、
意味があいまいなまま使われているケースも少なくありません。
ここでは、コンセプトという言葉を
できるだけシンプルに、一般的な意味として整理します。
コンセプトとは何か
一般的にコンセプトとは、
全体を通して共通する考え方や軸となるものを指します。
アイデアそのものや、
キャッチコピーのことをコンセプトと呼ぶ場合もありますが、
本来はもう少し広い意味を持ちます。
- 「何を目指しているのか」
- 「どの方向にそろえるのか」
を示す、判断の基準になる考え方がコンセプトです。
なぜコンセプトが必要と言われるのか
コンセプトがあると、判断がぶれにくくなります。
複数の案が出たときや、意見が分かれたときに、
「どちらがコンセプトに合っているか」
という視点で整理できるためです。
これは正解を決めるためというより、
全体を同じ方向にそろえるための基準として
使われることが多い考え方です。
コンセプトとアイデアの違い
コンセプトとアイデアは混同されがちですが、役割が異なります。
アイデアは、具体的な表現や方法のことを指します。
一方でコンセプトは、そのアイデアが生まれる前提となる考え方です。
同じコンセプトでも、出てくるアイデアは複数あります。
そのため、コンセプトは「ひとつ」、
アイデアは「たくさん」という関係になることが一般的です。
コンセプトは目に見えない
コンセプトそのものは、形として見えるものではありません。
文章や言葉で説明されることが多く、
デザインや表現は、そのコンセプトをもとに形にされた結果です。
そのため、見た目が似ていても、
コンセプトが違えば、意図や狙いは異なります。
コンセプトと理念・ビジョン・目標は混同されやすい
コンセプトは、理念やビジョン、目標と
混同されやすい言葉です。
実際の現場でも、これらを同じ意味で
使っているケースは少なくありません。
まず、理念は、組織や個人が大切にしている
価値観や考え方を示すものです。
長期間変わらないことが前提で、
判断の根っこにあたる存在です。
ビジョンは、将来的にどうありたいか、
どこを目指すのかを示します。
時間軸を含み、少し先の未来像を言葉にしたもの
として使われることが多い言葉です。
目標は、数値や期限を伴う具体的な到達点を指します。
達成・未達成が判断できる点が特徴です。
これらに対して、コンセプトはもっと実務的な役割を持ちます。
コンセプトは、理念やビジョンを前提にしながらも、
「今回の企画では何を軸に考えるのか」を
整理するための考え方です。
そのため、理念やビジョンのように重く固定されたものではなく、
プロジェクトや目的に応じて設定し直されることも珍しくありません。
理念・ビジョン・目標は「変えない/簡単には変えないもの」。
コンセプトは「状況に合わせて調整されるもの」。
この違いを分けて考えないと、
コンセプトが必要以上に重くなり、
判断や表現が動かしにくくなることがあります。
理念がある人ほど、コンセプトを軽く扱ったほうがうまくいく
と言われるのは、
役割の違う言葉を無理に一体化させない方が、
実務では整理しやすいからです。
コンセプトは、信念を語るための言葉ではなく、
考えをそろえるための言葉。
他の言葉と役割を分けて理解することで、
混乱は自然と減っていきます。
まとめ
コンセプトとは、
- 全体を通して共通する考え方
- 判断や選択の基準になる軸
- アイデアや表現の土台
こうした役割を持つものです。
言葉の意味を整理しておくだけでも、
「何の話をしているのか」が分かりやすくなります。
コンセプトは、何かを決めつけるためのものではなく、
全体をそろえるための考え方として使われる言葉です。
