【経営者編3】顧客視点の本質(理解編)|なぜ、同じ努力をしても成果が出る会社と出ない会社があるのか? —差がつく「顧客視点」の本質

あなたは今、
毎日まじめに働き、
お客様に喜ばれたいと願い、
ずっと会社を守ってきた——
そんな経営者ではないでしょうか。

だからこそ、一度はこう感じたことがあるはずです。

「同じように努力しているのに、
なぜ、あの会社だけ成果が出るんだろう?」

商品も悪くない。
スタッフも頑張っている。
お客様の声もそこまで悪くない。

なのに——
売上が伸びない。
お問い合わせが増えない。
“伝わっていない感じ”がずっと残る。

一方で、あなたより経験の浅い会社が
なぜかスルッと成果を出していく。

その差はどこにあるのか?

答えは、
運でもセンスでも、広告費でもなく、
「顧客視点の深さ」です。

そして残念なことに、
ほとんどの中小企業は
「うちは顧客視点でやっているつもり」
という“思い込み”から抜け出せず、
結果として 努力が報われない構造 に入り込んでいます。

今日は、
あなたの会社が本来持っている魅力を
“正しく伝えて、選ばれるようにするための視点” をお話します。

ここさえ変われば、
あなたの会社の未来は必ず変わります。

目次

なぜ、努力しているのに成果が出ないのか?

—多くの会社が気づかない「ズレ」】

多くの中小企業が成果に悩む本当の理由は、
「努力の方向がほんの少しズレている」
という“たったそれだけ”です。

社長自身は毎日頑張っています。
スタッフも誠実に働いています。
商品も、実はそんなに悪くありません。

にもかかわらず成果が出ないのは、
お客様が感じている“価値”と、
会社側が発信している“価値”が噛み合っていない からです。

そしてこの“噛み合わなさ”は、
社長自身が気づかないうちに積み重なっていきます。

具体的には、こんなズレです。

ズレ①:会社は「商品の良さ」を語り、お客様は「自分にとっての意味」を探している

社長は一生懸命、商品の特徴を説明します。
でもお客様は、
「私にとって、どう良いの?」
「今の不安はなくなるの?」
と“自分の問題”で判断します。

ズレ②:会社は「当たり前」を語り、お客様は「意外性」や「安心」を求めている

社長にとって当たり前のことほど、
お客様にとっては“知らないこと”です。

逆に社長が強くアピールしている部分ほど、
お客様は「そこじゃないんだよな…」と思っていることも多い。

ズレ③:会社は「説明したら伝わる」と思い、お客様は「体験しないと理解しない」

説明は、届きません。
届くのは“翻訳された価値”です。

こうした小さなズレが積み重なると、

  • 頑張っているのに売れない
  • サイトを改善しても変わらない
  • DMを送っても反応がない
  • SNSをやっても結果が出ない

という“努力の報われないループ”が生まれます。

でも安心してください。

この記事の続きを読めば、
そのズレがどこから生まれ、
どうすれば正しい方向に戻せるのか、
具体的に理解できるようになります。

顧客視点とは何か?——“お客様の脳の中”で生きるということ

多くの中小企業が勘違いしているのは、
“顧客視点=お客様の気持ちを考えること”
だと思っている点です。

しかし本当の顧客視点は、そんな表面的なものではありません。

❌「お客様の気持ちを考えてみました」

これは 自分の頭の中だけで完結する“自分視点” です。

本物の顧客視点とは——

✔️ “お客様の脳の中で起きていることを観察し、事実から推測し、行動まで変える力”

つまり、
お客様の世界の中で生きること。

顧客視点の本質は「体験」からしか育たない

「顧客の気持ちになりましょう」と言っても、
人間は基本的に 自分の視点のまま 考えてしまいます。

ですが、
一流の接客や圧倒的サービスを“お客様として体験”すると、
脳の視点が強制的に反転します。

たとえば、百貨店の最高レベルの接客を受けると
多くの人がこう思います。

「こんなに気持ちよくお金って払えるんだ…」

この“衝撃”がなければ、
顧客視点は絶対に深まらない。

絆創膏のエピソードに顧客視点が凝縮されている

高級百貨店の売場で、
靴擦れをしたお客様が
「絆創膏はありますか?」と聞いたとします。

そのとき、店員が
商品の在庫を確認するのではなく、

✔️ バックヤードから自分の私物の絆創膏を持ってきて渡す。

こういう対応が生まれるのは、
顧客視点が徹底しているから。

この行為には、3つの意図がある:
① 質問の本質は「痛い」

お客様は“絆創膏を買いたい”のではなく、
痛みを解決したい。

② この一手で“買い物を続けられる”

痛みで買い物をやめさせない。

③ “好意の記憶”が残る

この記憶こそが、後の購買につながる。

これができる会社とできない会社では、
10年後に大きな差がつく。

顧客視点とは、こう定義できる

✔️ 「お客様が今どの地点にいて、何に困っていて、

どうすれば“好意”が生まれるのかを
事実と体験から理解し、行動に落とすスキル」

そして忘れてはいけないのは——

顧客視点は“理念”ではなく“技術”である

センスではなく、訓練で身につく。

だから、
“うちは大手じゃないから…”
という言い訳は成立しない。

お客様をよく見ている会社は伸びる。
見ていない会社は沈む。

とてもシンプルです。

成果が出る会社・出ない会社の分岐点

「同じ努力をしているのに、なぜあの会社だけ成果が出るのか?」
これは経営者なら誰しも一度は感じたことがある “違和感” だと思います。

しかし、その答えはとてもシンプルです。
成果が出る会社と出ない会社には、明確な“分岐点”がある。

しかもそれは、
「広告費の額」でも
「技術力」でも
「センス」でも
「運」でもありません。

本質はもっと、静かで、地味で、確実なところにあります。

① お客様が見ている“評価基準”を理解しているかどうか

成果が出る会社は、
「お客様が、どんな基準で選んでいるか」を正確に理解している。

逆に成果が出ない会社は、
“自分目線の基準” で勝負してしまう。

ここに、決定的な差が生まれます。

【成果が出ない会社がやりがちなこと】

  • 「うちは歴史が長い」
  • 「技術は負けていない」
  • 「品質には自信がある」
  • 「一生懸命やっている」
  • 「誠実に対応している」

…どれも本当に素晴らしいことなのですが、
お客様はそこを評価基準にしていません。

お客様が判断しているのは、
もっと別のポイントです。

② “お客様が何に不安を感じているか” を言語化できているか

成果が出る会社は、
お客様が心の中で感じている不安を、言葉にして先に取り除く。

成果が出ない会社は、
お客様の不安を“存在しないもの”として扱う。

(例)リフォーム会社

成果が出る会社
→ 見積が曖昧で不安になる点を最初に説明
→ 工期の遅れ、追加料金の可能性など“心配ポイント”を透明化
→ 「この会社は信頼できそう」となる

成果が出ない会社
→ “自分たちの強み”だけを、ひたすら語る
→ お客様の不安が取り残されたままになる

③ 努力の方向が“お客様の視点”と一致しているか

成果が出る会社は、
努力が常に「お客様の視点」に向いている。

成果が出ない会社は、
努力が“自分たちの内部”に向いている。

▼ 成果が出る会社の努力

  • 説明を丁寧にする
  • 比較すべき情報を出す
  • 誤解ポイントを消す
  • 自社の強みを「お客様の言葉」に翻訳する
  • “選ばれる理由”を明文化する

▼ 成果が出ない会社の努力

  • とにかく頑張る
  • とにかく更新する
  • とにかく宣伝する
  • とにかく改善する

どれだけ努力しても、
努力の方向がズレていれば成果は出ません。

この差が、
“同じ努力をしても結果が変わる理由” です。

④ お客様が「決断しやすい状態」を作れているか

成果が出る会社は、
最後の一歩(申込み・問い合わせ)をラクにしている。

成果が出ない会社は、
“悩む余白”を大量に残してしまう。

人は不安があると、
正しい選択肢ですら“やめておこう”となる。

成果が出る会社は、
・比較
・価格
・メリット/デメリット
・保証
・事例
・担当者の顔

こうした判断材料をきちんと揃えて、
お客様の迷いをなくしている。

まとめ:成果が出る会社は「お客様の視点に立つ力」が圧倒的に高い

努力量ではない。
広告費でもない。
技術でもない。

たったひとつの違い。

お客様の視点を正しく理解し、その視点で努力できているか。

成果が出る会社は
この“視点の差”を積み重ねている。

成果が出ない会社は
“自分たちの視点”だけで戦っている。

そして、この差が
最終的に“圧倒的な成果の差”として現れる。

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