Webブランディングラボの “オリジナル用語辞典”|基本15概念

この辞典は、Webブランディングラボが
25年以上の実務で培ってきた “オリジナルの基本概念” をまとめたものです。
一般的な用語説明ではなく、
中小企業のブランドづくりで本当に役に立つ“現場の言葉”だけを厳選しています。

価値の翻訳 → 伝わり方 → 技術 → 成果 まで、
ひとつの流れで理解できるように整理しました。
読みたいところから自由にお使いください。

目次

基本の考え方編(Foundational Ideas)

① 価値の翻訳(Value Translation)

会社の魅力を “お客様が理解できる言葉” に置き換える技術。
強みの言語化・整理・翻訳がすべての始まりで、
これが正しくできると Web も営業も人材採用も一気に整う。
価値の翻訳の全体像はこちら

② 言語の共有(Shared Brand Language)

ブランドは、経営者の頭の中にあるだけでは浸透しません。
実際に“お客様と接する現場”で同じ言葉が使われてはじめて、
会社の「らしさ」が伝わります。

そのため、
経営者 → スタッフ → お客様
この順番で同じ言語が流れることがとても重要です。

言葉がズレる会社は、
経営者はA、スタッフはB、WebはCを語ってしまい、
結果として「何の会社なのか」がぼやけます。

逆に言語が共有されると、
説明が揃い、判断が早くなり、
お客様にも一貫した価値が伝わります。

つまり言語の共有とは、
会社全体が同じ価値観で動けるようにする“基礎装置”です。

③ 迷子ゼロ(Zero Confusion)

Webで最も重要なのは、
「この会社は何をしているのか?」が3〜5秒で分かること。
ここが曖昧だと、どれだけ価値があっても読まれません。
お客様は迷った瞬間に離脱するため、
“理解までのハードル”を徹底的に下げる必要があります。

迷子ゼロとは、
ファーストビュー・文章・画像・導線まで含めて
「考えなくても分かる」状態をつくる考え方です。

迷子が発生する会社は、
・専門用語が多い
・情報が散らばっている
・強みが見えない
など、読み手の理解を妨げる要因が積み重なっています。

逆に迷子ゼロが実現すると、
読み手はスムーズに読み進め、
価値の翻訳や魅力が“そのまま”届きます。

つまり迷子ゼロは、
Webで成果を出すための最もシンプルで最強のルールです。

④ 101%改善(Micro Improvement)

小さな改善を積み重ねることで、
大きな成果につながるWebブランディングラボ方式の改善思想。
派手さより、続く仕組みづくりが大切。
現場でもWebでも同じ原理で動く。
101%改善のしくみを見る

⑤ 顧客の意思決定プロセス(Decision Journey)

お客様が「買う」と決めるまでの流れ。
比較・不安・確信のステップを理解すると、
何を書くべきか・どこに置くべきかが明確になる。

⑥ 伝わり方の土台(Communication Base Layer)

どれだけ良い価値を翻訳しても、
その“見せ方”や“順番”が整っていなければ届きません。
お客様は直感で判断するため、
情報は理解しやすい構造で並んでいる必要があります。

伝わり方の土台とは、
「何を・どの順番で・どう見せるか」 を整理すること。
ファーストビュー、文章の粒度、導線、画像の役割まで、
すべてが読み手の理解スピードに影響します。

土台が弱い会社は、
大事な価値が埋もれたり、
説明が散らかったりして、
“伝わらないのに努力だけ増える”状態に陥ります。

逆に土台が整うと、
読み手の迷いが消え、
価値がストレートに伝わるようになり、
問い合わせや共感が自然と生まれます。

つまりこれは、
価値の翻訳を成果につなげるための「橋」のような役割です。

実践の進め方編(Practical Methods)

⑦ ファーストビュー設計(5-Second Clarity)

画面を開いた最初の数秒で
「何の会社で、誰のためで、何が強みか」を伝える設計。
迷子ゼロの実行版で、成果に直結する要素。

⑧ 導線設計(Guided Flow Design)

導線設計とは、訪問者が迷わず自然に読み進め、
理解が深まり、不安が消え、
「問い合わせしたい」と思うところまで導く“道筋のデザイン”です。

Webはただ情報を並べる場所ではなく、
接客と同じように“案内”が必要です。
どの順番で見せるか、どこで確信を与えるか、
どのタイミングで行動を促すか——
すべてが成果に直結します。

導線が弱いサイトは、
途中で迷ったり、興味が途切れたり、
必要な情報にたどり着けず離脱してしまいます。

逆に導線が整っていると、
読むほど理解が深まり“勝手に進んでくれる”状態になります。
お客様の心理の流れに沿ったサイトは、
押しつけではなく“自然に選ばれる”強さを持ちます。

つまり導線設計は、
価値の翻訳を成果へ変えるための「心理の地図」です。

⑨ 物語化(Narrative Branding)

会社の歴史・想い・強みを
お客様が理解しやすい“物語”として再構成する技術。
差別化・信頼づくりに不可欠。

⑩ いいところ100(Hidden Strength Discovery)

自分たちでは気づけない魅力を洗い出すためのワーク。
「ほめ文化」が弱い日本では特に効果的で、
価値の翻訳の材料づくりとして最強。
いいところ100の効果を見る

⑪ 眠っている魅力の可視化(Unseen Value Visualization)

多くの会社は、自分たちの本当の魅力に気づいていません。
“当たり前すぎて価値として扱っていない強み”や、
“お客様だけが感じ取っている良さ”が必ず存在します。
これが眠っている魅力です。

可視化とは、それらを
言葉・画像・構造に落とし込み、
お客様が理解できる形に変えるプロセス
のこと。

眠っている魅力に気づけない会社は、
本来の強みではなく“表面的な特徴”だけで勝負してしまい、
結果として差別化が難しくなります。

反対に、魅力を可視化できると、
競合が真似できない“独自の価値”が明確になり、
Webや営業で一貫した武器として使えるようになります。

つまりこれは、
会社の原石を“伝わる資産”へ変換する核心的な工程です。

⑫ 商圏戦略(Market Scope Strategy)

“全国” と “地域” では戦い方がまったく違うという考え方。
特に地域会社には “まだ戦える余白” が大きく、
第一想起の獲得につながりやすい。
中小企業の勝ち筋を決める重要概念

得られる結果編(Expected Outcomes)

⑬ “〇〇と言えば御社”の状態(Top-of-Mind)

ブランドの最終的な到達点(ゴール)は、
お客様の頭の中で「〇〇と言えば、あの会社」
と自然に結びつく状態です。
これは広告やSEOよりも強力で、
“思い出される位置”を確保できると、
比較される前に候補に入ります。

この状態になる会社は、
価値の翻訳・迷子ゼロ・導線・物語…
すべてが一貫しており、
お客様が迷わず理解できる情報設計ができています。

Top-of-Mindは、派手なブランディングではなく、
「分かりやすさ × 一貫性 × 価値の深さ」
の掛け合わせで生まれます。
地域企業で成果が出やすいのも、
この“思い出される位置”が作りやすいためです。

つまりこれは、
選ばれる会社になるための
最もシンプルで強力なゴールです。

⑭ 良質な問い合わせ(Qualified Leads)

価値の翻訳・導線・物語が整うことで
御社に“合うお客様”から自然に問い合わせが来る状態。
中小企業にとって最も大きな成果。

⑮ 地域優位性(Local Market Dominance)

地域 × 業態で No.1 に近づく状態。
全国より競争がゆるやかで、
地域企業は最も勝ちやすいフィールドを持っている。

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