
中小企業のホームページを制作・改善する際に、掲載自体をためらう方が多いのが「料金一覧・価格例」です。
「条件によって仕様が変わるから一概に言えない」
「競合他社に価格を知られたくない」
そういった理由から、明確な表記を避けたり、「要お見積もり」とだけ書く方も多いです。
その気持ちは良くわかりますが、御社を検討するお客様の立場からは、価格の目安がないと検討しようという気持ちになるのも難しいし、「問い合わせ」する気にもならないと思います。
さらに、料金ページの作り方をそのものを間違えると、問い合わせが来ないだけでなく「予算感が合わない相手からの相見積もり」に追われて、自社の業務が圧迫されるという最悪の事態にもなりかねません。
かつては「価格は秘密」が常識でしたが、ネット時代の今は隠すこと自体が大きな不利になります。価格を出すのは怖いかもしれませんが、開示することこそが「選ばれるための最初の一歩」です。
そこで今回は、料金ページの「失敗例5選」と、そこから抜け出して見積もり業務の消耗を防ぐ「具体的な解決策」について解説します。
失敗例1:「要お見積もり」「〇〇円〜」ばかりで基準がない
最も多いのが、ほぼすべての項目に「要お見積もり」とだけ書かれているか、「50,000円〜」のような下限の金額しか表記されていないケースです。
発注側(見込み客)からすると、これでは自分の予算に合うのかどうかすら判断できませんね。
比較・検討するための「ものさし」がない状態では、ハードルが高すぎて問い合わせを迷いますから、結果として価格をわかりやすく開示している競合他社へ流れてしまいます。
失敗例2:複雑すぎる価格体系と業界用語の多用
専門用語や細かな「オプション料金」がズラリと並んでいて、ざっとみて計算が複雑になっているケースです。
御社にとっては、「正確で詳細な価格表」だと思いますが、業界の知識や相場観のないお客様にとっては価格以前に意味を解読するだけで一苦労です。
「なんか付き合いずらそうな会社だな」と、見積もりのイメージを掴む前に、読む気をなくして去って行きます。
真面目にやられているのは理解できますが、料金表は「正確さ」以上に「お客様にとってわかりやすい」「ざっとみて想定できる」が重要です。
失敗例3:価格に対する「前提条件(対応範囲)」の欠落
金額だけがぽつんと書かれていて、「その価格で、どこからどこまで対応してくれるのか」という前提条件が抜けているケースです。
「製品の価格に、作業費は含まれているのか」「出張費などの実費は別か」といった範囲がわからないと、お客様に疑問をたくさん持たれてしまいます。
そうなると、単純に数字だけで「高い・安い」で他社と比較してしまいます。
御社が提供している製品・サービスの質や手厚い対応などの価値が、価格だけで判断されてしまう原因になります。
※ここは、とてもいいサービスをしている会社が良くやりがちです。「その書き方だと、雑な業者と同じに見られますから、丁寧に書いてくださいね~」と、私は良く注意しています。
失敗例4:表記の揺れ、内訳の不明さ、料金変更の放置
価格の表記方法に統一性がなく、ページごとに書き方が変わる、価格変更されたのにそのままになっているなど、ホームページの管理が行き届いてない場合、会社としての「誠実さ」に疑問が出てきます。(これ意外と多いですよ)
「税抜き・税込み」の表記がページ内で混在していたり、出張費や初期登録料といった追加費用の有無・内訳が書かれていないと、お客様は「後から聞いていない費用を請求されるのではないか」と心配になります。
特に明確な見積もりを事前に提示しない会社は、気を付けてあげなければいけないと思います。
金額が変わるのは仕方ないですし、新しいプランができたり、オプションが後付け出てきたりと、中小企業のサイトはとにかく変化が激しいというケースもあります。それをすべて網羅するのは無理だとしても、まずは主要な3プランだけでも明確にしましょう。
失敗例5:具体的な「事例ベースの価格例」がひとつもない
特にBtoBやオーダーメイドのサービスに多いのが、「条件によって価格が変わるから」と具体的な金額例を一切出さない会社も多いです。
確かに一律の定額化が難しいサービスは存在しますが、だからといって何も出さないのは逆に問い合わせをいただけない原因になります。
「この規模・この内容の案件で〇〇万円でした」という具体的な「実績・事例ベースの価格例」がひとつもないと、お客様は完成形も費用感もまったくイメージできません。
具体的な事例を3つぐらい提示しておくと、声をかけやすいと考えてもらえるので、お客様の安心材料になります。
料金ページの消耗を防ぐ!簡易見積もりシステム(シミュレーター)の導入
料金の開示方法と合わせて検討したいのが、簡易的な見積もりシステム(シミュレーター)の導入です。
画面上で選択するだけ、数字を入れるだけで「概算金額がわかる仕組み」は、会社にもお客様にも大きなメリットをもたらします。
- 無駄な見積もり対応(消耗戦)を大幅にカット
概算をその場で提示することで、予算感が合わないお客様は去っていきます。確度の高い商談だけに注力でき、見積もり作成の手間とコストを削減できます。
※無駄な見積もりが月に20件ぐらい減ったと喜ぶ会社さんもあります。 - 低コスト・短期間で導入可能です
昔のように数百万円のシステム開発費はもう不要です。
WordPress「AForms」などの優れたプラグインを活用して、5万〜15万円程度のカスタマイズで素早く実用化できます。※カスタマイズ不要で設置できるケースは無料版もありますので、まずはページを見てください。 - 大手の「セルフオーダーシステムが苦手な人」をお客様にする
価格を提示したら来なくなるのでは?という不安は、意外にも不要です。
すでにシステムが普及した今の時代は、大手では「自動発注サイト(印刷サイトのような仕組み)」を作る会社も多いですが、そのシステムが難しくて使いこなせないお客様が必ずいます。
「自動見積もり」で価格を示しつつ「入稿やサポートが必要な部分は親切に対応します」の一言が重要です。
システム導入のハードルが下がった今が変革のチャンスです。
また、明確な価格の提示で御社自身の無駄な業務を減らすこともできます。
価格がバレるのは、会社は「う~ん」でも、お客様からすると「わかりやすい」ですし、そこにさらに「手厚い人のサポート」があると明示することで大きな安心につながります。
さらに申し上げると、サポートが必要なお客様は浮気しませんので、優良なリピート顧客になる可能性が高いです。
これを言ってる会社さん多いです。
最後に:「要お見積もり」は、「時価のお寿司屋さん」と同じです
「詳細を聞かないと正確な金額は出せないから、安易に価格を出したくない」と、
その気持ちも分かりますが、それはお客様からすると「時価としか書かれていない高そうなお寿司屋さん」に一見で入るようなものです。どんなに味が良くても、怖くて暖簾(のれん)をくぐれませんよね。
あなたは入っちゃうタイプ? 私はネットでめっちゃ調べるタイプです。
「同業他社に価格を見られたくない」と考える気持ちもわかります。
ですがネットの時代に価格を出さないことは、自社を守っているようでいて、実は「相談しないで」と扉を閉めているのと同じで、とても損をしています。
まずは、「事例のような概算のお見積り例を公開」することや、個数によって価格が変動する仕組みなら簡易なシミュレーターの導入で「だいたいの目安」を示して、お客様に安心してもらい、気軽に相談してもらえることこそが、選ばれるホームページへの第一歩です。
教えたくないけど教えると覚悟したときから、問い合わせが増えた会社っていっぱいあります。
最後に書きます。お客様は、本当にシンプルなんです。(あなたも 私もそう)
価格が明確になることは、「払えそう・予算内に収まりそう」「頼んで大丈夫かわかる」だから「問い合わせしやすくなる」です。
価格を公開したら「競合に真似される」「安いを求める客が来る」「比較される」と、売る側がいろいろ考えすぎています。お客様側は、「で、それいくらなの?」だけです。
