「誘目性」と「視認性」は、マーケティングやデザインで重要な要素です。
「誘目性(Attractiveness)」と「視認性(Visibility)」の違いについて
この2つは、よく同じものと思われがちですが、以下のような違いがあります。
- 「誘目性」は、誰もが「無意識」に注目してしまう(認識してしまう) ものの度合いのこと
- 「視認性」は、見つけたい人(意識している人)が、見つけやすいか の度合いのこと
「色彩検定」においても、「注目度を上げる配色の方法」として、両方ともがとても重要だとされています。
例をあげると、人間が自分に近いづいてくる対象物を認識する順番は、
「その対象物の存在」⇒「色」⇒「形」⇒「素材」
の順番になると言われています。
「形」より先に「色」です
「洋服」などを探していてる時を思い出してください。「形」より先に「私は青が好き」など、色から探しています。
人間は、「色」から先に認識するのです
これは、Webサイト、紙媒体をデザイン制作する上でもとても重要なことだと思います。
誘目性(ゆうもくせい)とは
誘目性とは、注意を引く能力や視覚的な強さを指します。簡単にいうと、「どれだけ目が引きつけられるか」です。
ひとつ例をあげると、「交通標識」を思い出してください。
これは、特に人が見たいものではないですが、見えないと大変危険です。
また「誘目性」は、競争の激しい市場で「商品」や「広告」を目立たせるためにもとても重要です。
例を挙げると、
- インターネット広告の場合:
まずは「目を引き付ける」必要があります。イメージの合う「誘目性」の高い鮮やかな色を組み合わせて目を引き付けましょう。 - ネットショップの場合:
セールのお知らせ、また、「送料無料」や「キャンペーンバナー」においても誘目性が重要です。
お客様に、今だけお得な商品があることを知ってもらうには、目を引く色を使ってアピールしましょう。
※お買い得なイメージのある「赤」や「オレンジ」が効果的です。
また、「必ず見てもらいたい注意を促す内容」も誘目性を高くすることが大切です。
赤や黄色など彩度の高い色を使って、目をひくようにしましょう。
色の組み合わせにもよりますが、寒色よりも暖色の方が比較的に目につきやすいと言われています。
視認性(しにんせい)とは
視認性とは、簡単にいうと「その内容が、すぐにわかるか」です。
「視認性」の高いデザインとは、
- フォントの選択と文字サイズ:読みやすいフォント選びと、適切な文字サイズの設定が重要です。
- コントラストと色の選択:テキストと背景のコントラストで読みやすさを向上させます。
- 行間と行長:適切な行間と行長(1行の長さ)を設定し、テキストを読みやすくします。
- シンプルなデザイン: 無駄のないシンプルなデザインは、情報を明確に伝える効果があります。
誰でも思うことですが、探しているものは、少しでも早く見つけたい。
作り手側が、サインを出してユーザーを誘導することが重要です。
- おすすめの色は、はっきりした鮮やかな色:薄い色は、Webページ内で埋もれてしまって見つけられません。
※色を意識すると、おのずと読みやすさを表す「可読性」も高くなります。 - リンク・バナー・ボタンでは:背景の色を赤、オレンジなどの強い色にして、文字を白にしたものがクリックしやすいと言われています。
- 青も強い色です:青系はクールな印象を与え、人を冷静な気持ちにさせてしまうので、行動を促す色としてはおすすめしません。
「誘目性」や「視認性」が高い色の組み合わせの例
(まとめ)Webサイトでは、こんなアクションを促したい
「誘目性」と「視認性」は、デザインやマーケティングにおいて、互いを補完しあう重要な要素。適切なバランスを取って配置することで、効果的なデザインやマーケティングに威力を発揮します。
とくにWebサイトを制作する際は、以下のような「Webサイトの運営者の意図」を考えてから、Webサイト設計を考える必要があります。
【Webサイト運営者が望むことの例】
- 内容を良く読んでほしい
- 訪問者にとって、目的とするものを早く見つけて欲しい
- 「バナー」を押して、次のページに遷移してもらいたい
- 「お問い合わせ」ボタンを押して、問い合わせして欲しい
- 「カート」のボタンを押して購入してほしい
- 「お問い合わせ」してもらいたいのに、「問い合わせ」のバナー・リンクが見つからない
- 「商品を購入」してもらいたいのに、「カート」のバナー・リンクが見つからない
などで、ユーザーがWebサイトから離脱してしまわないように、「誘目性(ゆうもくせい)」や「視認性(しにんせい)」を良くして、次のアクションにユーザーを促しましょう。
(執筆者:ころまるん)