
「カラーマーケティング」という言葉は、
日本では少しあいまいに使われています。
- この色は売れる
- この色は心理的に効果がある
- 業種ごとに最適な色がある
そんな説明を、
本やセミナーで見かけたことがある方も
多いかもしれません。
ですが正直に言うと、
日本では、カラーマーケティングの定義や理論は
まだ整理されきっていません。
※ カラーマーケティングについては、
私自身も「これが正解」と言い切れるものが
まだ整理しきれていません。
だからこそ、実務で感じたことを、
できるだけ正直な言葉で書いています。
色には「傾向」はあるが、「正解」はない
色と心理の関係については、
海外では研究や事例も多くあります。
- 赤は注意を引きやすい
- 青は信頼感を与えやすい
- 緑は安心感や自然を連想させやすい
こうした傾向は、
実務の中でも感じることがあります。
ただし、ここで大切なのは、
色の意味は、絶対的なものではない
という点です。
文化・年代・性別・業界・文脈によって、
色の受け取られ方は大きく変わります。
「この色を使えば売れる」は、かなり危険
ときどき、
- 赤を使えば売れる
- 青にすれば信頼される
といった話を聞きます。
ですが、
色だけで売れることはありません。
もし本当に
「色を変えただけで売れる」なら、
世の中はもっと単純なはずです。
色はあくまで、
- 印象を補助するもの
- メッセージを支えるもの
であって、
それ自体が価値になるわけではありません。
色は「文脈」と一緒に考えるもの
実務の中で感じているのは、
色が効果を持つのは、次のような条件がそろったときです。
- 誰に向けたサービスなのか
- どんな価値を伝えたいのか
- どんな言葉・写真・ストーリーと組み合わさるのか
これらが整理された上で使われる色は、
確かに意味を持ち始めます。
逆に言えば、
文脈がないまま色だけを決めても、
効果は期待できません。
中小企業にとってのカラーマーケティング
中小企業の場合、
大企業のように、
- 大規模な調査
- 明確なブランド認知
を前提にすることは難しいことが多いです。
だからこそ、
「売れる色を探す」よりも、
「自分たちに合わない色を避ける」
この考え方のほうが、
現実的で安全だと感じています。
- 安心感が必要なのに、冷たすぎないか
- 食品なのに、不安を連想させないか
- サービスの中身と、色の印象がずれていないか
こうした視点だけでも、
色の失敗はかなり減らせます。
まとめ
カラーマーケティングは、
魔法のような手法ではありません。
色には一定の傾向はありますが、
それをどう受け取るかは、
常に「人」と「状況」に左右されます。
だからこそ、
- 断定しすぎない
- 色に頼りすぎない
- 全体の伝わり方の中で考える
この距離感が、とても大切だと思っています。
色は、
価値を伝えるための「補助線」。
主役は、
あなたのサービスや想いそのものです。
(執筆者:ケイ)
