【番外編1】価値を掘り起こすワーク|「いいところ100」で本当の強みが浮き上がる

あなたの会社には、
すでに “選ばれる価値” がたくさん眠っています。

でもその多くは、
自分たちでは気づけない場所に隠れている。

なぜなら、価値とは
「毎日そこにある“当たり前”の中」に埋もれているからです。

だからこそ、どれだけインタビューしても
「特別なことはしてません」
「うちは普通の会社ですよ」
と、経営者もスタッフも謙遜したり、黙りこんでしまうことが本当に多い。

でも安心してください。
価値が “ない”のではなく、見えていないだけ。

目次

”商品・サービスをほめない会社”の空気を変える「いいところ100」

① ほめる文化が少ない会社は、
  “自社の商品・サービスを語る言葉” を持っていない

ほめる習慣が少ない職場では、
自社の商品・サービスの良さも
自然と言葉にしない
空気になりがちです。

  • 「うちなんて普通ですよ」
  • 「特別なことはしてません」
  • 「強みと言えるほどでは…」

と、
本当は良い部分があっても
控えめに、静かに扱ってしまう ことが多い。

悪いわけではないですが、
これだと “魅力の再確認” の機会が減ってしまいます。

またそんな状態だと、
商品やサービスへの愛着が自然と薄くなりやすいです。

② だから強みが出てこない → LPも作りにくい

謙遜の文化が強い会社ほど、
こちらで「いいところ」を指摘しても
否定されてしまうことも多いです。

結果として、

  • 強みがまとめられない
  • 事例が出てこない
  • 違いが言語化されない

→ LPや紹介文が作りにくい状態になってしまう。

そこで「いいところ100」を試していただきたいです。
ほめる文化が少ない会社ほど、
良さを書き出す仕組みが役に立ちます。

  • 自分たちの良さをゆっくり見つめる
  • 小さな価値に気づく
  • 認め合うきっかけになる
  • チームの視点がそろう

そんな助けになるのがこのワークです。

このワークの目的

このワークは、
会社や商品が持つ価値の“全体像”を見える化すること。

強みがわからない会社でも必ず成果が出る理由は、
価値を “考える” のではなく “出す” からです。

書き出した言葉の中から
本当に選ばれている理由が、自然と立ち上がってきます。

Step1:まずは100個、ひたすら書き出す

対象は以下すべて:

  • 商品
  • サービス
  • 会社そのもの
  • スタッフ・チーム

これを Excel に 100項目、思いつくまま書き出します。
最初の30個はラクに出ます。
しかし──

👉 本番は50を超えてから。

急に手が止まり、
「もう出ない…」という“地獄ゾーン”に入ります。

でも実は、この “苦しんでからのひねり出し” が最強。

  • 視点が変わる
  • 普段見ない価値が浮き出る
  • “当たり前” の中に隠れていた魅力に気づく

この瞬間こそが、価値発掘のゴールデンタイムです。

5人でやれば、
100 × 5 = 500個の価値の原石 が出てきます。

Step2:メンバーは3〜8人。バラバラであるほどいい

経営陣だけでは偏ってしまうので、

  • 経営者
  • 営業
  • お客様担当
  • 現場
  • 開発
  • 事務

など、できるだけ多様な視点の人を入れます。

👉 ブレストはしません。
意見の強い人に引きずられるからです。

“一人ひとりが静かに書く” ことが、このワークの肝。

Step3:出てきた500項目を分類すると「8つ前後」に収れんする

最初はバラバラな言葉でも、
分類してみると不思議と 8つ前後の価値軸 にまとまります。

例:

  • 誠実さ
  • 技術力
  • 迅速対応
  • 人柄
  • 会社の雰囲気
  • 商品クオリティ
  • 環境の良さ
  • アフターフォロー

これが会社の“核”を表す価値であり、
ブランディングの土台になります。

Step4:個性も全部「価値」になる

一見すると関係なさそうでも、
こんな項目も立派な価値です。

  • 社長が個性的
  • お客様担当がとても親切
  • 緑豊かな場所にオフィスがある
  • 社食が美味しい

こうした “空気感” や “文化” は、
他社では絶対に真似できない“唯一の個性”。

会社選びでは、意外とここが決め手になります。

Step5:応用ワーク「商品・サービスのいいところ50」

会社全体とは別に、
商品・サービス単体で“50個”書くワークも非常に強力です。

やってみると分かりますが、

  • 10個で止まる商品 ⇒ 売れない理由が一瞬で可視化
  • 20個を超える商品 ⇒ 市場優位性が高い
  • 50個書ける ⇒ もはやブランドとして成立

という面白い特徴が出ます。

打ち合わせで何も出てこないとき、このワークは最強

実はこのケース、本当に多いんです。

それどころか、みんなこんなことを言い始めます。

  • 「特別なことはしてません」
  • 「うちは普通の会社です」
  • 「強みなんて…」
  • 「業界ではあたりまえですから…」

そして…
全員、黙る(笑)

👉 でもこれは、価値がないのではなく、
“当たり前すぎて見えなくなる” 価値の盲点。

書き出すワークにすると、
手が勝手に価値を拾い上げてくるので、
社長さえ気づいていなかった魅力がどんどん並びます。

そしてシートを見た経営者が
「こんなに…?」と涙ぐむこともある。

本当に、よくある光景です。

会社の“いいところ”を書き出すためのヒント

※少しだけヒントを書きます。

① お客様が喜んでいた瞬間は?
→ その時、お客様は「何に」救われた?安心した?
→ 小さな一言・態度・スピードも価値。

② 他社と違う“らしさ”は?
→ 他社の悪口ではなく、“自社ならではの自然体”を探す。
→ 「普通にやってるだけ」ほど、お客様には刺さる。

③ 社員が誇りを感じた瞬間は?
→ 誰かが 声に出さずに 努力してる部分は?
→ チームにだけ見えてる“隠れた価値”はどこ?

④ 最近、よくなったと感じるところは?
→ 改善点・仕組み・小さな変化。
→ 101%の「積み上がり」は宝物。

⑤ 社長がずっと大事にしている価値観は?
→ 口癖、判断基準、譲れないもの。
→ 会社の“芯”がここに出る。

⑥ 業界の“当たり前”で、違和感を感じるものは?
→ そこに “未来の伸び代” が隠れてます。
→ そのやり方、イライラする… は、強みの裏返しかも。

⑦ 小さな改善で、お客様が喜んだことは?
→ あなたの会社のファンを思い出して。
→ 「え?そんなことで?」と思った時こそ価値がある。

⑧ 会社やスタッフさんのことで、感じてることを書いてみる?
→ 〇〇さんは、お客様に優しいんだよね。
→ うちの会社って、緑に囲まれてていいよね~。

などなど、「え?そんなこと書いていいの?」が
たくさん出てくるからこその「いいところ100」なんです。

このワークで得られるもの

  • 強みが「見える形」で手に入る
  • 社員全員の価値認識がそろう
  • ブランディングの軸が浮き上がる
  • 社長の“自己評価の壁”が外れる
  • 打ち合わせの質が一気に上がる
  • 半年間悩んだ強みが、2時間で見える化される

👉 価値は、考えて見つかるものではありません。
“出してみる” ことで初めて姿を現します。

まとめ:価値は、あなたの会社の中にすでにある

「強みがない」のではありません。
「強みが見えていない」だけです。

100個書き出し、分類し、
価値を言葉として“取り出す”ことで、
会社の核が、誰の目にも分かる形になります。

あなたの会社には、
すでに “選ばれる理由” があります。

あとは、それをそっと掘り起こすだけ。

そして「いいところ100」は、
その最初の一歩として、
必ず驚くほど大きな効果を生みます。

意外な効用:組織が静かに変わりはじめる

実はこのワーク、
価値を掘り起こすだけではありません。

やってみると、“意外な効用”が次々に出てきます。

① 「◯◯について書いて」と言うと手が止まるのに、
「なんでもいいから書いて」と言うと書ける

人はテーマを狭めると沈黙するのに、
“なんでもOK”と言われると急に書けるようになる。

思考が自由になるから、価値の深いところに手が届きます。

② 声の小さい人が、一番いい意見を持っていたりする

会議では上層部の声ばかり目立つ会社でも、
このワークでは 全員が同じ条件で書くため、
普段見えない人の優れた視点が出てくる。

社長が驚き、価値観がひっくり返る瞬間です。

③ 辞めようとしていたスタッフが、
「もう少しいてもいいかも…」と言うことがある

これは本当にあった話。

自分の会社のいいところを100個書いていくうちに、
意外にも“愛着”が生まれてくるんです。

会社への見方が変わり、
離職の流れが止まることもあります。

④ 会議が盛り上がるようになり、全員が意見を言うようになる
「スタッフ同士の親密度も上がる」

静かだったチームが活発になり、
「こんなに話す会社だったっけ?」と社長が驚くほど。

書いたものを見せ合うと、
お互いの“いいね!”ポイントを知ることになり、
チームの距離が一気に縮まります。

このように「いいところ100」は、
ブランディングワークの枠を超えて、
組織文化そのものを変える力を持っています。

⑤ 家族に「うち、いい会社なんだよ」と言えるようになった

これも実際にあった、意外な効果です。

“いいところ100”を書き出していく中で、
自分の会社の良さや仲間の魅力、
日常の当たり前にある価値に気づきます。

それを家族に話したとき、
「あなたの会社って、そんなにいい会社だったの?」
と喜ばれたという声もありました。

会社のことをうまく説明できず、
家族に心配させていたスタッフ、
経営者との接点が少なく情報が届きにくい会社ほど、
この変化はとても大きいものです。

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