
アートとデザイン、この2つは混同されやすいですが、決定的に違うものです。
アートとデザインは、よく似た言葉として使われます。
でも「アートは自分の表現」で、「デザインは相手のニーズに応える仕事」です。
答えが自分の中にあるか、相手の中にあるか。ここがまったく違います。
ここが曖昧なまま進むと、デザインは高確率で失敗します。
定義① アートは「表現する」こと
アートの目的は、自分を表現することです。
- 自分が何を感じているか
- 何を美しいと思うか
- 何を伝えたいか
答えは、常に自分の中にあります。
見る人がどう感じるかは、コントロールできなくても成立します。
極端に言えば、ズレてもいいし、誤解されてもいい。
それがアートだと思います。
定義② デザインは「ニーズに応える」仕事
一方で、デザインの目的は明確です。
ニーズに応えることです。
- 何を求められているのか
- 何に困っているのか
- 何を伝えたいと思っているのか
答えは、相手の中にあります。
見る人が迷ったり、違和感を覚えたり、
気分を損ねた時点で、デザインは失敗を意味します。
決定的な違いは、成立する条件が違います
ここが、アートとデザインの決定的な違いです。
- アート:何をどう受け取るかは、見る人に委ねられている
- デザイン:伝わらなければ、成立しない
アートは、評価や解釈が一つに定まらなくても成立します。
一方デザインは、伝えるべき相手に、意図が届かなければ失敗です。
ではなぜ、デザインがうまくいかないのか?
多くの失敗は、センスや技術の問題ではなく…
原因は、「ニーズが、最初から共有されていない」からです。
よくあるのが、依頼側が「なんでもいいです」「おまかせします」とノープランの場合に、
作り手も、あまり考えずに「はい」と受け取ってしまうケースです。
これは「自由に」でも「信頼」でもないです。
判断が丸投げされたまま、制作だけが始まっている状態です。
とくにイメージに関しては、「なんとなくこんな感じ」「雰囲気は いい感じで」といった、判断になっていない言葉が使われがちです。
この状態では、正解も不正解も存在しないため、
完成に近くなった時点で、違和感として出てくることが多いです。
そのため、作り手の好みや流行、表現したい世界観が前に出てしまうことが多く、
「何を伝えるデザインなのか」が無く、「何かが違う…」という状態になってしまう。
デザインで失敗する時は、誰かが悪いと言える状態ではなく、
ほとんどの場合、決めるべきことを決めないまま、話し合いが足りないまま、
仕事が始まってしまうからです。
→「実際にあった話はこちら」でスタイリッシュの記事へ
デザインに必要なのは、センスよりも「確認」です
- 誰のためのものか
- 何を伝える必要があるのか
- 何を解決するのか
- 目指すゴールはどこか
ここが依頼側・作り手の間で揃っていれば、デザインはスムーズに進みます。
でもそれは、ほとんどの場合、無理があります。
ゴールのイメージなどは誰も持っていない。
だからこそ、デザインを依頼される側にこそ勇気が必要です。
相手が何も持っていなくても、自分でイメージを作れるのか。
それができないなら、しつこくゴールのイメージを確認できるのか…。
ゴールが曖昧なままだと修正が必ず増えます
- 「なんとなく違う」
- 「好みじゃない」
- 「もう少しかっこよく」
こうした言葉が出てきた時、それは、ニーズが言葉で共有されていないサインです。
正解が見えない状態で作れば、修正が増えるのは当然です。
デザインが直され続けるときは、だいたい同じことが起きています。
- ゴールが決まっていない:
きれいにしたい、今っぽくしたい、なんとなく変えたい
→ゴールが曖昧だと判断基準が定まりません。結果的に「これで合ってる?」が終わらなくなります。 - ニーズより「好み」が前に:
自分は好き、キレイだから評判はいい、作っていて楽しい
→でもお客様のニーズとズレていたら…、デザインは、作り手の満足度では評価されません。 - 「もやっとする違和感」を放置:
なんとなく変、引っかかる、説明できないけど不安
→このもやっとする違和感を無視すると、後半で必ず大きな修正になります。 - 作りながら考えている:
作ってみてから判断、出してから方向修正、デザインで整理しようとする
→これは、一番失敗しやすい進め方。考える前に作り始めるとこうなりがちです。 - デザインに「説明」をさせている:
伝わらないから足す、不安だから盛る、説明文でカバーする
→これは、最初の構成が終わっていないサインです。デザインは説明ではなく、一目で伝えるためのものです。
デザインがうまくいかない時
ここが一番、見落とされがちです。
デザイナーも、依頼する側も、ゴールについて話し合っていない。
たとえば経営者は、「問い合わせが欲しい」「売上につなげたい」そう思っているのが当たり前です。
でも、それを当然のことと思って、きちんと言葉にして伝えていない。
一方でデザイナーは、無意識のうちに会社案内や作品集を作る気分になってしまう。
このズレがある限り、デザインをどれだけ頑張ってもゴールは見えません。
最後に、私の話を少しだけ…
私はずっと、「クライアントのお客様に伝えること」と
3秒で(いまは1.5秒とも言われます)判断されるWebの厳しさを、同時に受け止めて仕事をしてきました。
どちらか一方では、特にネットでは通用しないからです。
キレイでも、伝わらなければ見られない。
良いできでも、3秒で伝わらなければ離脱される。
だから私が見ていたのは、
- お客様が迷わないか(理解できるか)
- 気が散らないか
- 気分を害さないか
- 失礼になっていないか
- そして、3秒で伝わるか
このすべてです。
きれいごとだけでは、数字(CVRなどネットの指標)は良くなりませんし、ただなんとなく作ってもクライアントとの信頼関係も生まれません。
「伝える」「3秒で」この2つを同時に満たすこと。
それができてはじめて、Webサイトのデザインは「仕事」になります。
そこが揃ったとき、デザインは驚くほど良くなります。
そして修正がなくなります。
センスは人それぞれですが、「確認」は誰にでもできます。
ネットでは、「努力した」では評価されません。
伝わったかどうかだけが結果になります。
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↓ この違いを理解しないまま作ると、ホームページの制作は失敗します。
- 1. 顧客満足は仕組み(前提として)
- 2. 表現→伝える→伝わったか(仕組みが壊れる理由)
- 3. キャッチコピーは接客(仕組みの入口)
