
「うちの会社は、ブランドや高級な店じゃないから、高級感のある色は関係ない」
そう考えている経営者や担当者は多いと思いますが、ちょっと待ってください。
ブランディングやマーケティングの視点で色が担うイメージはとても大きいです。
なぜなら最初の印象が色でもかなり決まってしまうからです。
自社の商品やサービスが持つ本来の価値を正しく伝え、顧客に選ばれるための最初のピースとして、この記事では、「高級感=高価格・贅沢」という思い込みを解いて、信頼の獲得と適正な価格で選ばれ続けるためにマーケティングの視点から解説します。
最初に|色は「見た目」ではなく「自社の印象」を決めてしまう
Webサイトやパンフレットを制作するとき、色は「好みの問題」として扱われがちです。
しかし顧客は、サイトを開いた瞬間に飛び込んでくる「色」から、その会社の印象を無意識に理解します。
- ここは安さで勝負している会社だな
- ここは丁寧な仕事をしてくれそうだ
- ここは専門性が高そうだ
- ここは歴史がある会社だ
など、説明文を1行も読まなくても、なんとなく感じませんか?
色は不思議なことに、「価格帯」や「信頼度」を顧客の頭の中に作ってしまいます。
色を戦略的に選ぶということは、自社が市場のどのポジションで戦うかの最初の一歩なんです。
「価格競争」から抜け出すための色
ここでは、あくまでもホームページでの「色」のこととして言及していますが、すべての原因が色ではないこと承知いただきお読みください。
たとえば、多くの会社で要求される「相見積もり」や「値下げの要求」で、これに巻き込まれる原因の第一歩が、実は「安く見えてしまう色」だったらどうしますか。
- 原色・多色使いの安っぽい色味のホームページ:
チラシや特売セールのような「安っぽさ」「お得感」「親しみやすい」を瞬時に伝えていたらどうでしょうか。
どれだけ品質が良くてもそれが伝わらなければ残念な結果になると思います。 - 彩度を抑えて「信頼、落ち着き」を表す:
ホームページの色が、ガチャガチャしてる、なんか安っぽいと感じたら、明るさを少し落として落ち着いたトーンに変えてください。落ち着いたイメージになりましたか?
「賑わいや安さ」ではなく「質の良さ」や「信頼感」を感じさせたいのなら、まず画面から余計な刺激のある色を引き算し、落ち着いた色に変えるください。
中小企業・BtoBこそ「品格(高級感)」が必要な理由
「高級感」という言葉を、ビジネスの現場で「品格」や「信頼の証」と言い換えてみてください。
すると、中小企業やBtoB企業にこそ、この要素が不可欠であることが分かります。
BtoB取引や高単価なサービスにおいて、お客様が最も懸念するのは「発注先選びで失敗すること」です。
- 「丁寧な仕事をする」というメッセージ:
ホームページが品格あるトーンでできていたら、「この会社は仕事が丁寧だろう」という安心感を与えると思いませんか。あなたも知らず知らずのうちにそういうホームページを見て選んでいませんか。 - 会社の継続性・安定感を伝える:
落ち着いた重厚感のある色は、組織としての安定感や堅実さを無意識に連想させます。
創業〇年と書く長く続く会社は、そういう色を選んでいます。
高額なものを売るのではなく、「安心して任せられるプロ」として選ばれるために選んでください。
マーケティング視点で避けるべき「色と実態のギャップ」
ただし、「品格が大事」だからといって、実態とかけ離れた過剰な装飾をするのは逆効果です。
- 「高級に見せかける」ことの弊害:
親しみやすさが売りの日用品や、スピード重視のカジュアルなサービスに重厚すぎる色を合わせると、「近寄りがたい」「敷居が高い」と敬遠されてしまいます。 - 目指すべきは「実態の正当な表現」:
ブランディングにおける色の役割は、実態以上に大きく見せることではなく、「持っている誠実さや品質の良さを、100%過不足なく伝えること」です。
自社の理念、製品のこだわり、顧客と向き合う姿勢。その本質に合わせた「引き算の色づかい」こそが、健全な信頼関係を築きます。
ECサイトでも「安い」だけが売れる理由ではない
例としてわかりやすいので、ネットショップで書いてみます。
実は家電でも、最安値の店が一番売れるわけではないのです。 もちろん最安値を選ぶ人もいますが、少しぐらい高くても、名の通った店や保証がしっかりした店が選ばれています。
理由はシンプルで、「数百円、数千円の安さ」よりも「失敗したくない」の方が強いからです。
(これは事実です)
では、初めて見る店舗のどこで「安心感」を判断しているのでしょうか?
もちろんレビューや価格は一番ですが、それとプラスして商品画像のデザインです。
もちろんどの店舗さんも「安さ」を強調したいですが、実際によく見てください。
店舗さんごとに決まった「型(フレーム)」を作って、安くても「安っぽくない」デザインを作っていませんか?その時に選ぶ色も、もちろん「赤」が多いですが、安っぽく見えない「赤」を使うお店は多いです。
一言でいうと、「安っぽい」と「安い」は別のものだということです。
その店舗なりのブランド感を色でも作って、「きちんとした正規品が届きそう」「サポートも丁寧そう」と直感で感じられる。これ不思議と自分が買う時も自然とやっていると思いませんか。
つまり品格のある色とは、「少し高くても、安心してあなたから買いたい」と選んでもらうための色なのです。
「いい会社で働いてるんだね」―家族からもらった言葉の意味
ホームページを良くすることは、外部のお客様だけでなく、「社内の空気」も良くします。
ある会社の話ですが、ホームページをリニューアルする際に、軽くてポップな印象から、技術の高さや誠実さにふさわしい品格のあるイメージに変えた時のことです。
後日、社員の方がとても嬉しそうに話してくれました。
自分の子どもや配偶者にホームページを見せたら、「いい会社で働いてるね!」と言われたそうです。
ほかのスタッフも「親に見せたら同じことを言われた」と言っていました。
自分たちが頑張って取り組んでいる仕事が、ホームページを通じて家族や周囲に伝わることで、「自分たちは良い会社で働いている」という空気が社内に広がったといわれました。もちろん問い合わせも増えたそうです。
色は「ブランディング」でも重要な理由
マーケティングが「買ってもらう仕組みをつくる(売る)」ことだとしたら、ブランディングの役割は「この会社から買いたいと理由、選ばれ理由」を作ることです。
会社の資産である「ブランディング」においては、色は会社のイメージを決める重要なものだと思います。
人は文章の内容は忘れても、「あの落ち着いた深い青の会社」「あたたかみのある生成り色のブランド」といった視覚の印象は長く記憶に残ります。
そのため色は、御社のブランドの空気感を顧客の頭の中に残すのに大きな力になります。
逆に考えてください。それほど印象が残るならば、もしも安っぽい・弱いイメージだったらどうでしょうか?
そこを計算に入れずにデザインを作るのはなしだと思います。
ブランド価値を積み上げる「一貫性」のルール
色彩戦略は、ホームページ単体で終わらせてはもったいないです。
- ホームページ
- 会社案内・営業資料
- 名刺や提案書
- 請求書やメール署名
- イベントなどのチラシなど
顧客と接するすべての場面で、同じトーン&マナーを一貫して使い続けることが大切です。
「ブレのなさ」がお客様の記憶に蓄積されて、他社にない「ブランド」へと育つかもしれません。
最後に:具体的なホームページづくり(デザイン編)へ
色彩をマーケティングの武器にするための第一歩は、「高級感のある色=高価格」という思い込みを捨て、「品格=信頼」として捉え直すことです。
では、実際にホームページを制作をする際、どうすれば安っぽくならない品のある絵を作れるのでしょうか?
具体的な失敗パターンの避け方や、RGBでの考え方については、姉妹記事である【デザイン編】で詳しく解説しています。あわせてご覧いただき、自社の信頼を高めるWebサイトづくりにお役立てください。
👉 なぜその色は安っぽく見えるのか?「高級感のある色=高額」だけではない【デザイン編】

